エンタメコングロマリットに合理性はあるのか?GENDAがエンタメコングロマリットに近づくほど、コングロマリットディスカウントが起こるのではないか?

結論、GENDAのエンタメ経済圏では、コングロマリットによる複雑性に対するディスカウントを相殺して余りある「コングロマリットプレミアム」が実現できると考えております。以下に詳細を説明させて頂きます。


・コングロマリットディスカウントとは

複数の事業を持つ会社の企業価値が、個別の事業の事業価値の合計より低く評価される現象です。これは基本的に投資家が「わかりにくさ」を嫌うことから起こります。


・GENDAでは、コングロマリットプレミアムが実現できると考える理由

GENDAは真逆の「コングロマリットプレミアム」を実現させていきたいと考えています。つまり個々の事業の価値の合計よりも、グループ全体の価値の方が高く評価され続ける状態です。なぜそれを実現できるのか、以下5点で説明します。


①ボラティリティの抑制:企業価値の増加(と、それによる株式価値の増加)
「個々のエンタメ企業は低く評価されている」
エンタメは千変万化、栄枯盛衰であり、今、世の中に受け入れられているものが「来年も再来年も受け入れられるか」「売上利益を維持できるか」という視点で、ボラティリティを避ける投資家からは低く評価されやすい傾向にあります。個々の事業ではボラタイルだとしても、GENDAでは適切な事業ポートフォリオを形成することにより、このボラティリティを超越していきます。つまり「個々の事業では良くない年もある可能性はあるが、グループトータルでは毎年力強く成長しつづける」という状態を作ることを目指しています。


各社単体に投資するには、ボラティリティを許容する必要がある分、期待リターンが上昇し、資本コストも高くなります。しかし、エンタメコングロマリットを形成することで、GENDA全体としてボラティリティが減少し、資本コストが減少します。キャッシュフローの割引率である資本コストの減少により、キャッシュフロー総額の現在価値が上昇し、企業価値が上昇します。


②資本構成の最適化:株式価値の増加
「個々のエンタメ企業は不必要なキャッシュを持っている」

①と同様の理由で、個々のエンタメ企業自身も「将来のボラティリティ」に備えて、当面不必要なキャッシュを持つことが多くあります。GENDAではグループ全体で資金をマネジメントすることにより、急な資金需要には備えつつ、残りの資金を次の成長の為の投資に回していきます。


→「モジリアーニ・ミラーの命題(MM命題)」に基づくと、MM命題の第1命題では「完全な資本市場では資本構成は企業価値には影響を与えない」ことが理論的に証明されています。

一方で、企業価値が一定であっても、資本構成によって株式価値を増加することができます。余剰資金の活用、及び、適切な負債活用により、最適資本構成に近づく事で、株式価値を増加させることができます(また、現実は完全な資本市場ではなく、税金や倒産リスクが存在する為、最適資本構成の追求により企業価値も増加します)。また、各社単体では出会えなかった金融機関とも連結ベースで取引が可能となり、株式対比で資本コストの低い負債の有効活用が可能となり、これもまた企業価値増加に繋がります。


③PLシナジー:企業価値の増加(と、それによる株式価値の増加)
グループ内で無数のクロスセルシナジーの実現

Q2で記載した、地続きのエンタメ業界で発生する無数のクロスセルシナジーが発生します。


→ 子会社各社のPLの改善により、キャッシュフローが増加し、企業価値が増加します。


④世界中へのIR:企業価値の増加(と、それによる株式価値の増加)
投資家への丁寧で真摯な説明

GENDAでは世界中の投資家への説明に力を入れています。個々の企業のままでは出会えなかった投資家へ、それぞれの事業の魅力とグループの魅力をしっかりと理解して頂く努力をし続けていきます。


→ 世界中に投資家層を広げていくことで、資本コストの低い投資家や資金と出会うことが可能となり、資本コストが下がることで、企業価値が増加します。


⑤ブランディング:企業価値の増加(と、それによる株式価値の増加)
GENDAのファンになってくださる方を増やしていきます。それにより採用、出店、仕入れ、販売、事業提携、M&A、資金調達等、あらゆる面で個々の企業が個別に動いた時以上の効果をグループとして実現していきます。


→ ①~④以外の点で各社のPL改善や資本コストの減少により、企業価値が増加します。


GENDAがコングロマリットとなることで、一定の複雑性によるコングロマリットディスカウントの発生は避けられないかもしれません。しかし、エンタメ特有の事由も含めた上記①~⑤のような企業価値や株式価値の増加の効果が存在し、それらがディスカウントを相殺して余りある効果を発揮し、結果的に個々の事業の価値の合計よりも、グループ全体の価値の方が高く評価され続けるコングロマリットプレミアムが生じると考えております。

Tag: 2024年11月29日 回答