結論としては、社債発行を可能にし、M&A企業に必要な資金調達手段の多様化を図るためです。当社は、投資適格であるJCR格付けBBB+(安定的)を新規に取得いたしました。
社債発行は既存借入金の借り換えを目的に行われるケースが一般的であり、当社の場合は下記のようなM&A実行時での活用を主に見込んでおります。
M&Aによる「連続的な非連続な成長」を掲げる当社は、資金調達を繰り返しながらM&Aを実行致します。実務的には、株式取得金額をM&Aの完了日に、売手に一括送金します。
負債による資金調達を実施する場合、入金当日には、一旦少数の銀行から資金を短期的に借り入れる「ブリッジローン」で資金調達をし、その後数ヶ月してから、シンジケートローン等でブリッジローンを長期的に同額で多数の銀行から借り換える「パーマネントローン」を実行することが一般的です。
このパーマネントローンに、今後は社債を活用することが可能となります。世界中の多くのM&Aを行う企業群は、M&Aの資金調達手段として社債調達を活用しております。今後は当社もこのグローバルで一般的なM&Aの資金調達プロセスを活用することが可能になります。
上述のM&Aに対する短期的なブリッジローンを提供する銀行にとって、確りとパーマネントローンに借り換えられるかどうかは、貸出し可否を決める判断軸としても大きなポイントです。
当社は従来、借入によるパーマネント化の手段として、間接金融である銀行借入しかなかったところ、今後は当社自力で直接金融の約15兆円の社債市場にアクセス可能となるため、ブリッジローンの出し手である銀行も、更に柔軟な与信判断が可能になると考えています。
なお、当社は上場来、2023年に22件、2024年に11件のM&Aを公表し、2年連続で国内上場企業として実行したM&Aが最多となり、国内トップのスピード感でM&Aを実行できております。
M&Aを実行するには、当然ですが、決済日までに株式取得に掛かる資金を準備する必要があります。
当社は、当該資金を今まで主に銀行借入で賄っておりますが、換言すれば、国内トップのスピード感での銀行借入にも成功していることになります。
結果的に、現在は銀行やリース会社等68行(2025年2月末時点)の金融機関から、実際にお借入れを頂くことができています。
また、その資金使途が、一般的な事業性資金よりも通常は複雑な審査が必要となる「M&A資金」であるため、各銀行と深い信頼関係を築くことができていると考えております。
更に、M&Aに於ける借入を審査頂く際には(株式市場には非公開である)M&Aの対象会社の査定結果となるデューデリジェンス関連の資料も、一式を銀行等の金融機関に提出しそれらも審査された上で借入可否の判断が下されます。
今までの各案件のM&Aの詳細に関する非公開情報を踏まえた上で、銀行の行内審査の決裁がこのスピード感でおりているのは、当社のM&Aの価格の適切性や規律、M&A後のPMIの再現性を十分にご理解頂き、信頼関係を築けているからであると自負しております。
債権者は、貸出しによるアップサイドは限定的であるため、ダウンサイドリスクを特に排除する必要がありますが、そうした審査も通過した上での借入となっております。
この、間接金融の銀行やリース会社等の金融機関からの与信判断をクリアした上で、今回は、直接金融の債権者の投資判断の指針となり、国内最大手の格付機関の1つであるJCR(㈱日本格付研究所)社の審査の結果、「投資適格」の格付を取得しております。
更に、創業7期目のグロース企業であり、本業であるM&Aを連続的に行い、結果として「のれん」の絶対額が一般的な企業よりも多くなる当社が、エンタメ業界ではタカラトミー社や富士急行社と同格付となる「BBB+」を取得できたことは、M&Aに於ける規律の安全性を追加的に担保いただけたものと自負しております。
以上の通り、社債発行による資金調達の多様化を通じたM&A活動の加速に加え、間接金融の貸し手である金融機関、及び、直接金融の貸し手の指針となる格付機関から、特に資金使途の底堅さやダウンサイドリスクを審査されたうえで各種決裁を頂けたことは、当社のM&Aによる非連続な成長のアップサイドを享受頂く株主の皆様に、当社のM&Aが(非公開の情報を審査された上で)ダウンサイドが限定的な底堅い投資であり、更にご安心頂いて投資を頂けると考えており、株主の皆様への日頃の感謝と共にご報告とさせて頂きます。
下記JCR発行のニュースリリースも併せてご覧ください。https://www.jcr.co.jp/ratinglist/corp/9166