成長の定義について
成長は「一株当たり株式価値(Cash EPS)」の成長であり、そのKPIとしてキャッシュフローを簡易的に示すうえで一般的な指標である「償却前営業利益(EBITDA)」を採用しております。
GENDAの成長の再現性について
①投資回収の極大化:シナジー効果による各社のキャッシュフローの成長
→①②が結果的にもたらす「フライホイール効果」
②投下資本の適切化:適切なバリュエーションでのM&A
③レバレッジ効果:低金利を活用した負債調達
以上の3点によって、GENDAの「一株当たり株式価値(Cash EPS)」の成長が今後も再現可能であると考えております。以下にてそれぞれ詳細をご説明させて頂きます。
①投下資本の適切化:適切なバリュエーションでのM&A
株価算定には様々なアプローチがありますが、理論的なアプローチの1つにDCF法があり、「将来キャッシュフロー総額(の現在価値)から純有利負債を控除した株式価値を株数で割ったもの」が「一株当たり株式価値」、つまり株価の理論値が計算できるとされています。
この中で、株式価値に最も大きな影響を与える説明変数は「将来キャッシュフローの総額」です。将来キャッシュフローに対する考え方は、大きく分けて2通り存在します。具体的には、追加投資を行うことで目の前のキャッシュフローを犠牲にして将来キャッシュフローを成長させるか、追加投資を抑制して目の前のキャッシュフローを最大化して株主に還元し、将来のキャッシュフローは安定したものとするか、です。
前者のように、追加投資をして目の前のキャッシュフローを犠牲にする場合は、投下資本と同額以上のキャッシュフローを将来的に生んで投資回収をしないと意味がありません(投下資本<投資回収)。更には、上場企業に求められる資本コストを加味して同額以上である必要があるため、絶対額としては同額を有意に上回る必要があります(投下資本<<投資回収)。
追加投資により将来キャッシュフローを増加させる手段は大きく分けて、オーガニック成長(新規出店)とインオーガニック成長(M&A)の2つがあります。この2つは異なるように見えますが、「投下資本に対して投資回収をする経済活動」という観点では、理論上は同じ経済効果となります。
そこで当社は、オーガニック成長(新規出店等)のために一単位の資金を投下することと、インオーガニック成長(M&A)のために一単位の資金を投下することを、同じ「追加投資」として効果測定をしております。具体的には、IRRで資本効率性(≒投下資本に対する投資回収の早さも加味した収益性指標)を測定しております。また株主様へのリターンを正確に判断するため、負債活用によるレバレッジ効果を加味したEquity IRRを使用しております。
但し、特にインオーガニック成長であるM&Aには投資の「規模」を追求することができるメリットがあります。つまり、投資の検討にはIRRだけではなく、キャッシュフローが増えた絶対額である「規模」(=NPVの大きさ)も重要となります。
M&Aは一単位の投資対象の「規模」が大きいため、例えるならば、1年でゲームセンターやカラオケを[100]店舗出店したのと同じ株式価値の増大効果を得られます。現実には、1年で[100]店舗の新規出店をすることは不可能であることに鑑みると、適切なバリュエーションであれば、M&Aが如何に大きな意味を持つかをご理解頂けると思います。
更に、当社のM&Aによるインオーガニック成長は、収益額(NPV)だけでなく収益率(IRR)もオーガニック成長以上となるケースが殆どです。ただ、現在はオーガニック成長(新規出店等)への投資も、インオーガニック成長(M&A)への投資も、IRRの絶対値としてどちらも十分に上場企業としての期待収益率を上回ること、またそれぞれに資金調達ができていることから、両立を実現しております。
今後も、株主の皆様からお預かりした資金に適切なレバレッジ(負債活用)をかけたうえで、上場企業としての期待収益率を上回ると見込む投資案件に、オーガニックやインオーガニックを問わず投資して参ります。なぜなら、期待収益率を上回る場合、資金調達ができている限りは株主還元するよりも再投資をした方が株式価値の最大化に資するためです。
従って、仮にM&A後の対象会社のキャッシュフローが成長せずとも、適切なバリュエーションでM&Aをすることだけで「一株当たり株式価値(Cash EPS)」の向上が可能となります。そして、この適切なバリュエーションでのM&Aそのものに再現性があることについては、CGSレポートの分析により言語化を頂いております(「エクイティストーリー① GENDAのM&A戦略は、成功する可能性が高い(p3)」)。
② 投資回収の極大化:シナジー効果による各社のキャッシュフローの成長
対象会社のM&A前後比較でのキャッシュフローが増加することは、投資回収を更に早期化し、IRR及びNPVを増加させ、結果的にGENDAが目指すべき成長の達成を可能とします。これがロールアップ型M&Aにおける醍醐味であるシナジー効果です。
前述の①に加え、M&A後の対象会社各社のキャッシュフロー(EBITDA)が成長しており、その再現性が高いことは既に公表の通りです。①と②を併せて、初期の投下資本(M&A)を適切化し、その後に対象会社のキャッシュフロー成長により、更に投資回収を極大化するサイクルを「フライホイール効果」としてお示しして参りました。
具体的には、4月23日に公表した「M&A進捗状況及び第1四半期見通しについて」にて、ゲームセンターのM&Aでは既にPMIの型を確立しており、宝島、スガイディノス、エービス、アムジー、ワイ・ケーコーポレーション、プレビ、について、全案件でのEBITDA増大(YoY+20%~+2,970%)に成功させたことを開示しております。
また、ゲームセンター以外でも、6月11日に公表した「2025年1月期第1四半期決算説明資料」の通り、プライズゲームの景品を企画するフクヤHD及び景品卸しを手掛けるアレスカンパニー、カラオケ事業のシン・コーポレーションもEBITDAを増大(それぞれYoY+142%、+305%、+85%)し、当社のエンタメプラットフォームの活用による無数のクロスセルによるグループ内でのシナジー発現による業績改善が可能であることをお示ししております。
③ レバレッジ効果:低金利を活用した負債調達
ここまでの①及び②によるフライホイール効果のみでも、株式価値の成長は可能ではあります。しかし当社は、低金利を利用した負債活用によって、当社の目指す「一株当たり株式価値(Cash EPS)」の成長の極大化を徹底しております。
「平時」に当社から能動的に金融機関にアプローチして借入取引を開始し、現在は銀行とリース会社の合計で52社から実際に借入を行っております。これにより、有事(M&A)の際の速やかな資金調達を可能にしております。直近の公募増資による資本増強により社債の選択肢も出る中、資金調達がM&A活動のボトルネックとならぬよう善処しております。
以上の通り、適切なバリュエーションでのM&A × M&A後のシナジー効果による各社のキャッシュフローの成長 × 低金利を活用した負債調達により、当社の目指す「成長」は再現性を持って実現していくことができると考えております。