FAQ
会社情報について
M&A戦略について
世界一のエンタメ企業を目指す当社は、M&Aのターゲットを市場規模が5,400億円のゲームセンター業界に限定することなく、エンタメ業界全体をターゲットとしております。エンタメ業界の各社が同一企業群となることで、実態的には無数のクロスセルのシナジーが発生しており、結果的にゲームセンター以外でもグループイン後で大きく業績が伸びております。
ゲームセンターではない会社で、連結への影響が大きい具体例として、フクヤ及びシン・コーポレーションがありますが、M&A直後の1期目となる今年度で、それぞれ創業71年来・創業35年来の最高益の達成が確実となっております。これは、シナジー無しでは説明が困難だと考えております。
その前提ではありますが、M&Aにおいて、シナジーやPMIはあくまで手段であり、目的ではありません。M&Aを成功させるために目的とすべきは「M&Aにより獲得したキャッシュフロー総額が、支払ったM&A対価を上回ること」です。それに対して、シナジーやPMIを目的としてしまうという「手段の目的化」がM&Aの失敗の典型例だと考えております。以下、詳細についてご説明いたします。
・当社に於けるM&Aの失敗は、M&Aの結果として資金を減らしてしまうこと
まず、当社に於けるM&Aの失敗の定義を記載させて頂きます。当社に於けるM&Aの失敗の定義は「M&Aにより獲得したキャッシュフロー総額が支払ったM&A対価を下回ること」、つまりM&Aをしたことで結果的に資金を減らしてしまった状態を指します。その理由は次の通りです。
株式会社である以上、株式価値の最大化が求められます。株式価値の最大化には企業価値の最大化が必要です。企業価値の最大化にはキャッシュフローの最大化が必要です。それにも関わらず、「M&Aで支払った金額>M&Aで獲得したキャッシュフロー総額」となるのは、M&Aを行った結果キャッシュフローを失ったことになるので、株式価値を毀損します。
当社では、株式価値を毀損するようなM&A、つまり「M&Aにより獲得したキャッシュフロー総額が、支払ったM&A対価を下回ること」を「M&Aの失敗」と定義しております。換言すれば、「M&Aにより獲得したキャッシュフロー総額が、支払ったM&A対価を(現在価値ベースで)上回ること」が「M&Aの成功」の定義となり、これを目的化しております。
・M&Aの失敗の典型例は、シナジーやPMIを目的としてしまう「手段の目的化」
M&Aによる目的は上述の通りであり、シナジーやPMIはあくまでキャッシュフローを増加させる手段となります。しかし、「シナジーやPMI」という手段を目的としてしまう「手段の目的化」が、M&Aの失敗の典型例だと考えております。具体的には「既存事業とシナジーが出そうだしPMIで伸ばせそうだから(取得価格に関わらず)M&Aをする」ということです。
特定の分野でM&Aを積極的に続けた際に、シナジーが出そうだ、という理由だけで、取得価格を気にせずM&Aを続けてしまうと、実際にシナジーが出たとしても、取得価格がそれを上回るほど高く、結果的に投資回収に失敗するケースがあります。あくまでキャッシュフローを目的化すべきであり、シナジーやPMIを目的化することは、M&Aの失敗の典型例となります。
・M&Aに於いて、シナジーの目的化による失敗が起きやすい背景
そういった失敗が起きやすい背景には、M&Aの持つ以下の特性があると考えています。
・高い金額を支払ってさえしまえばM&Aが容易にでき、直後にPLを増加させられる
・一方で、取得価格が適切だったかが判明するのは、M&Aから数年後である
・M&Aは工数が多いためサンクコストが大きく、現場はできることならM&Aを完遂したい
・その解決策として、シナジーを大義名分として、取得価格に対する牽制機能が甘くなる
という特性です。この誘惑に負け「シナジーが出そうだから(多少高値に目を瞑って)M&Aをしよう」という、手段の目的化が典型的な失敗の原因となっていると当社は分析しております。
・シナジーやPMIは大丈夫か?という疑問の前提は「M&A=割高である」という思想
M&Aに際して「シナジーやPMIは大丈夫か?」という一般的な疑問があります。この疑問の根柢にあるのは「M&Aにおける取得金額は、対象会社単独のキャッシュフロー対比では基本的に割高であり、シナジーやPMIにより対象会社のキャッシュフローを増加させないとそもそも回収できず、M&Aが失敗に終わる」という考え方です。
しかし、M&A=割高である、という前提は、正しい前提ではありません。当社のターゲットであるエンタメ業界では、業歴が長く安定した業態、ネットキャッシュのバランスシート、事業承継ニーズなど、M&Aに適した構造が存在しております。詳細については、下記スポンサードリサーチレポートをご覧ください。
(参考:2024年10月18日「Capital Growth Strategies(イニシャルレポート)」)
・GENDAは、投資会社のM&A目線を用いて、エンタメ領域に特化したM&Aをする事業会社
当社としては、シナジーやPMIありきでM&Aをするのではなく、あくまで適切な価格でのM&Aを最重要視しております。キャッシュフロー増加を目的としないとM&Aは失敗となり、それが担保されるかどうかが投資判断軸となります。前述の誘惑を認知したうえで、手段の目的化を避け、株式価値の理論に忠実な投資を心掛けております。
そのうえで、クロスセルのシナジーが無数に発生しております。実際に発生しているシナジーの具体例をQ2で、それゆえにGENDAは投資会社ではなく事業会社であるということをQ3で、コングロマリットの合理性をQ4で、そしてGENDAの戦略とAspirationの「世界中の人々の人生をより楽しく」との繋がりをQ5でご説明させて頂きます。
当社ではグループ内で無数のシナジーが発生しており、当社ではそれを細部まで言語化しております。添付は社内の経営会議で使用している最新のグループシナジーテーブルです。
あくまで一例ではありますが、ご紹介させて頂きます。
たとえば、ゲームセンターとカラオケは、一見異なるビジネスや客層であるように見えて、新規出店の考え方は同じであり、空きテナントの情報量が重要となります。今まではゲームセンター約330店舗の運営企業としてテナント情報を集めていた中、カラオケ約360店舗が加わり、カラオケ側のテナント情報を含めて店舗開発を一体化することで、店舗開発能力が向上しています。
またそれにより、カラオケでは出店の採算が合わないがゲームセンターなら可能(或いはその逆)ということも可能となりました。既存店でも、カラオケ単体ではスペースが広すぎる店舗をゲームセンターに変えて収益性を改善するなども行われています。また、店舗立地が重複している地域では、両者の割引クーポンを配布して新規の来客を喚起しております。
プライズ企画のフクヤは、ゲームセンターのバリューチェーンの上流に位置しておりますが、GiGOの業容拡大のみならず、GENDAとしてKiddletonやNENを通して北米に日本のKawaii商品の需要を大きく創出したことで、取引量が飛躍的に上昇しております。M&Aなかりせば外部に流出していた利益を連結化で取り込むことだけでも大きな株式価値の向上効果がありますが、商品ごとの売れ行きも適時に共有しており、細かい軌道修正が可能となっております。同様のことはプライズの商社機能を持つアレスにも発現しております。
レモネードやクライナーについても、単体では難しかった営業機能が飛躍的に向上しました。グループインにより、カラオケBanBanでは約360店舗全店のグランドメニューでレモネードとクライナーの商品が流通しており、既存のゲームセンターでも出店をしております。また、ゲームセンターがショッピングセンターに新規出店する際にも相乗りが可能となっております。
更にカラオケ機器の流通を行う音通が加わったことで、カラオケBanBanとの取引高が向上し、そしてそれにより本来であれば社外に流出していた利益もグループで取り込むことができております。また、音通の顧客であるナイトマーケット向けにクライナーの営業が可能となりました。クライナーを扱うシトラム社は、M&A前は社員ゼロで営業機能を有しておりませんでしたが、追加コストなく、多方面での販売チャネルにアクセスが可能となっております。
映画配給会社のGAGAも、配給映画について、池袋サンシャイン60通りに面する「GiGO総本店」の大型デジタルサイネージで大々的に宣伝したり、ゲームセンターの店員が映画広告を載せたTシャツを着たり、カラオケでは映画のキャラクターの部屋や飲食物を用意したりと、こちらもまた単体では困難であったクロスセルのシナジーを無数に発現しております。
以上は、言語化されているシナジーの一部の抜粋ではありますが、様々なシナジーが出ている理由は、幅広く見えるエンタメ領域も、大局的に見れば、上流領域の「コンテンツ」から下流領域の「プラットフォーム」まで、お客様(エンタメのファンであるユーザー)視点では地続きであるためです。「IP→プラットフォーム→ファン」というエンタメ業界の構造に基づき、無数にクロスセルのシナジーが存在しております。
ゲームセンターのロールアップM&Aによるシナジーはもちろん存在しますが、ゲームセンターに限定したM&Aよりも更に、地続きであるエンタメ領域に特化したM&Aには多くのシナジー創出余地があります。以上の観点から、GENDAならではのエンタメ経済圏による、エンタメコングロマリットの形成には多くのメリットがあると考えております。
結論、GENDAのエンタメ経済圏では、コングロマリットによる複雑性に対するディスカウントを相殺して余りある「コングロマリットプレミアム」が実現できると考えております。以下に詳細を説明させて頂きます。
・コングロマリットディスカウントとは
複数の事業を持つ会社の企業価値が、個別の事業の事業価値の合計より低く評価される現象です。これは基本的に投資家が「わかりにくさ」を嫌うことから起こります。
・GENDAでは、コングロマリットプレミアムが実現できると考える理由
GENDAは真逆の「コングロマリットプレミアム」を実現させていきたいと考えています。つまり個々の事業の価値の合計よりも、グループ全体の価値の方が高く評価され続ける状態です。なぜそれを実現できるのか、以下5点で説明します。
①ボラティリティの抑制:企業価値の増加(と、それによる株式価値の増加)
「個々のエンタメ企業は低く評価されている」
エンタメは千変万化、栄枯盛衰であり、今、世の中に受け入れられているものが「来年も再来年も受け入れられるか」「売上利益を維持できるか」という視点で、ボラティリティを避ける投資家からは低く評価されやすい傾向にあります。個々の事業ではボラタイルだとしても、GENDAでは適切な事業ポートフォリオを形成することにより、このボラティリティを超越していきます。つまり「個々の事業では良くない年もある可能性はあるが、グループトータルでは毎年力強く成長しつづける」という状態を作ることを目指しています。
→ 各社単体に投資するには、ボラティリティを許容する必要がある分、期待リターンが上昇し、資本コストも高くなります。しかし、エンタメコングロマリットを形成することで、GENDA全体としてボラティリティが減少し、資本コストが減少します。キャッシュフローの割引率である資本コストの減少により、キャッシュフロー総額の現在価値が上昇し、企業価値が上昇します。
②資本構成の最適化:株式価値の増加
「個々のエンタメ企業は不必要なキャッシュを持っている」
①と同様の理由で、個々のエンタメ企業自身も「将来のボラティリティ」に備えて、当面不必要なキャッシュを持つことが多くあります。GENDAではグループ全体で資金をマネジメントすることにより、急な資金需要には備えつつ、残りの資金を次の成長の為の投資に回していきます。
→「モジリアーニ・ミラーの命題(MM命題)」に基づくと、MM命題の第1命題では「完全な資本市場では資本構成は企業価値には影響を与えない」ことが理論的に証明されています。
一方で、企業価値が一定であっても、資本構成によって株式価値を増加することができます。余剰資金の活用、及び、適切な負債活用により、最適資本構成に近づく事で、株式価値を増加させることができます(また、現実は完全な資本市場ではなく、税金や倒産リスクが存在する為、最適資本構成の追求により企業価値も増加します)。また、各社単体では出会えなかった金融機関とも連結ベースで取引が可能となり、株式対比で資本コストの低い負債の有効活用が可能となり、これもまた企業価値増加に繋がります。
③PLシナジー:企業価値の増加(と、それによる株式価値の増加)
グループ内で無数のクロスセルシナジーの実現
Q2で記載した、地続きのエンタメ業界で発生する無数のクロスセルシナジーが発生します。
→ 子会社各社のPLの改善により、キャッシュフローが増加し、企業価値が増加します。
④世界中へのIR:企業価値の増加(と、それによる株式価値の増加)
投資家への丁寧で真摯な説明
GENDAでは世界中の投資家への説明に力を入れています。個々の企業のままでは出会えなかった投資家へ、それぞれの事業の魅力とグループの魅力をしっかりと理解して頂く努力をし続けていきます。
→ 世界中に投資家層を広げていくことで、資本コストの低い投資家や資金と出会うことが可能となり、資本コストが下がることで、企業価値が増加します。
⑤ブランディング:企業価値の増加(と、それによる株式価値の増加)
GENDAのファンになってくださる方を増やしていきます。それにより採用、出店、仕入れ、販売、事業提携、M&A、資金調達等、あらゆる面で個々の企業が個別に動いた時以上の効果をグループとして実現していきます。
→ ①~④以外の点で各社のPL改善や資本コストの減少により、企業価値が増加します。
GENDAがコングロマリットとなることで、一定の複雑性によるコングロマリットディスカウントの発生は避けられないかもしれません。しかし、エンタメ特有の事由も含めた上記①~⑤のような企業価値や株式価値の増加の効果が存在し、それらがディスカウントを相殺して余りある効果を発揮し、結果的に個々の事業の価値の合計よりも、グループ全体の価値の方が高く評価され続けるコングロマリットプレミアムが生じると考えております。
当社は、投資会社ではなく事業会社です。当社は事業会社でありながら、投資会社と同様にM&Aを戦略の中心に据えており、投資会社と同様の判断基準でM&Aを行いますが、対象領域はエンターテイメント領域に限定しており、実態的にはエンタメ領域で無数のシナジーが発生しており、投資会社ではなく事業会社であると考えております。
まず、投資会社と事業会社の定義をする必要があるため、当社の考えに基づく定義を記載させて頂きます。
・当社の考える「投資会社」の定義について
シナジーに関係なく、投資として成立する、つまりM&Aによるキャッシュフローが増加するならばM&Aを選択する、というのが投資会社です。投資会社がM&AをしたA社とB社について「両社は何ら関係ないが、なぜそれぞれM&Aをしたのか?」という疑問を持つ人はいません。なぜなら投資会社は「A社、B社、それぞれが独立の投資として成立する(投下資本対比でキャッシュフローを回収できる)からだ」という前提が存在していることが自明だからです。
・当社の考える「事業会社」の定義について
特定の領域で事業をし、それぞれシナジーを生み、単独の会社として存在するよりも多くの価値を生み出す状態の会社だと考えております。事業会社もM&Aをすることがありますが、事業会社がM&Aをすることだけをもって、投資会社と見做されることはありません。あまりに無関係な業界のM&Aをし続ける場合はそのおそれがありますが、あくまで単独で事業を行うよりも同一グループで行う方がシナジーが存在する場合は、事業会社として見做されると考えております。
・GENDAは投資会社と同様の判断基準でM&Aを行う事業会社
当社は事業会社でありながら投資会社と同様にM&Aを戦略の中心に据えており、投資会社と同様の判断基準でM&Aを行いますが、対象領域はエンターテイメント領域に限定しており、実態的にはエンタメ領域で無数のシナジーが発生しており、投資会社ではなく事業会社であると考えております。
投資会社として、全く無関係な企業を複数保有する場合は、通常のコングロマリットディスカウントにより、各企業群の企業価値の合計よりもグループ全体の企業価値が低下するケースはあります。一方、GENDAでは上述のコングロマリットプレミアムにより、事業会社としてM&A戦略を行うメリットを享受して参ります。 また、PERなどのマルチプル指標は、理論的には成長率によって計算されるため、M&Aによる高い成長率を維持することで正当化して参りたいと考えております。
本資料の記載に基づく、GENDAの戦略とAspirationの関係は以下の通りです。
GENDAは、人が人らしく生きるために「楽しさ」は不可欠と考え、「世界中の人々の人生をより楽しく」を Aspiration(アスピレーション=大志)に掲げております。
GENDAはこのAspirationを叶えるため、「2040年までに世界一のエンタメ企業になる」ことをVision(ビジョン=野望)とし、達成のための成長戦略として「エンタメ業界でのM&A」を通じて「連続的な非連続な成長」を続け、「GENDAならではのエンタメ経済圏の完成」を目指しております。
事業ポートフォリオを多様化することにより、千変万化、栄枯盛衰なエンタメ事業のボラティリティを超越するとともに、GENDAがエンタメコングロマリットとなることで、個々のエンタメ企業に無数のシナジーが生まれ、新しい価値を生み出し続けてまいります。
当社が行っているロールアップM&A戦略の実態、及びそれに伴う非連続な(キャッシュフロー増大による企業価値向上を通じた)株式価値の成長を、投資家の皆様に言語化する目的で、Fidelity社を中心に海外機関投資家のキャリアを有するCGS社代表取締役の信実氏にご作成頂きました。
その結果、M&Aの企業として重要な「投下資本」に対する「投資回収」の指標(=Incremental ROI)が同業他社対比で最高水準である一方、成長率を加味したEV/EBITDAマルチプルを比較すると、同業他社対比で約70~80%ディスカウントされている、という結果となりました。
同業他社の選定と成長率予想はCGS社に基づく一方、上記分析は実際の時価に基づく機械的な計算結果であり、投資家様へのアップサイドを定量的にご提示できたと考えております。以下にて、具体的な要旨を申し上げさせて頂きます。
当社はM&Aを本業とする会社として、上場以来一貫して「適切なバリュエーションでのM&A」を強調して参りました。具体的には、M&Aによる「投下資本」(≒対象会社のEV)に対する「投資回収」(≒対象会社のEBITDA)を重視していることを強調しておりました。
しかし、これまでのIRでは、M&A後の対象会社のEBITDA成長にのみ焦点を当てておりました。たしかに、対象会社のキャッシュフローが増加し投資回収が進むことは一方的に良いことですが、これはあくまで手段であって目的ではなく、最大の目的である「投下資本」に対する「投資回収」の効果測定ができておりませんでした。
そこで今回のレポートでは、「投下資本」に対する「投資回収」の効果測定をするため、対象会社個社ではなく、GENDA連結の(M&Aによる)バランスシートの増加分(≒EV)を「投下資本」、(M&Aによる)営業キャッシュフロー(≒EBITDA)の増加を「投資回収」、として「営業キャッシュフロー増加額 ÷ 投下資本増加額」(=「Incremental ROI」)を測定し、同業他社と比較頂きました。
同業他社は「成熟市場でのロールアップ型のM&Aを成長戦略としているグローバル企業(CGSレポートp19)」と定義されております。同業態を大規模に行う企業は米国に多数存在し、その中でも産業廃棄物サービスでロールアップM&Aを行うWaste Management(Incremental ROI約20%)、葬儀サービスでロールアップM&Aを行うService Corp International(同約8~9%)、害虫駆除業界でロールアップM&Aを行うRollins(同約25%)、及びM&Aでの成長を実現する代表企業としてのDanaher社(同約10%)が採用されております。
対して、当社の同指標は約25%であり、同業他社比較で最高水準という分析結果となりました(「ロールアップ型のM&A成長戦略をとるグローバル企業と比較しても非常に優秀な数字(p18)」)。従って、同業他社対比でバリュエーションが割高であっても正当化されることが定量的に示されています。
しかし、成長率対比でのEV/EBITDAマルチプルを計算すると、Waste Managementが1.5x、Service Corp Internationalが1.1x、Rollinsが2.5xであるところ、当社は0.3xとなっていることが指摘されています(「比較対象企業より約70~80%ディスカウントされており、客観的に見て割安感が強いと分析している(p1)」)。
成長率対比でのEV/EBITDAマルチプルとは「EV/EBITDAマルチプル÷EBITDA成長率」で計算されます。似たようなアプローチとして「P/Eマルチプル÷EPS成長率」で計算されるPEG(Price/Earnings-to-Growth)が一般的ですが、この分析をEBITDAで行ったものとなります。この考え方の背景にあるのは、成長率が高い会社の方が高いマルチプルが正当化される、という考えです。具体例を挙げさせて頂きます。
仮にA社とB社が同じEBITDA(例:100億円)であるとき、A社はEBITDA成長率が毎年10%(110億円、121億円、133億円・・)で成長するのに対し、B社が同20%(120億円、144億円、173億円・・)で成長する場合、3年だけでもA社のEBITDA成長は1.3x、B社は1.7xと大きな差が出るため、企業価値はA社<B社が正当化されます。結果的に、現時点におけるEBITDAがA社=B社でも、企業価値はA社<B社であることから、両者の割り算で計算されるEV/EBITDAマルチプルもA社<B社が正当化されます。
また、成長率だけでなく、キャッシュフロー創出力を測定した数値(CGS社レポートに於けるIncremental ROI、ROIC、営業CF転換率など)などが高ければ、高いマルチプルも正当化されます。
なぜなら、EBITDAはキャッシュフローに近い概念ですが、実態的にはそこから(税金と)事業を維持するために必要な投資(メンテナンスCAPEX)を考慮した定常的なフリーキャッシュフローこそが、理論的な企業価値に影響するためです。つまり、EBITDAが同額でも、EBITDAからキャッシュフローへの転換率が高い企業の方が、理論的な企業価値は高くなるためです。
その観点でCGSレポートでは「同社の投下資本は、2022年1月期から2024年1月期まで約155億円増加。これに対し、同社は営業CFを同期間で約29億円、2025年1月(CGS予想)まで含めると約38億円積上げる計算になる。つまり、過去のIncremental ROIは約20~25%のレンジであり、これはCGSの長年の投資経験上優秀な数字である(p18)。」と評価頂いております。
また、その前提に基づいた上で「GENDAのCGS予想モデルに基づけば、同社の利益成長あたりの期待FCF総出力は、Rollinsレベルとはいかない(オーガニック設備投資の必要性とCash ROICが大きく異なる)までも、Waste Managementのそれと比較的近しい数値である。(中略)現在株式市場がGENDAに許容しているEBITDA 1%あたりのマルチプル(0.3x)は、同社の中長期的なFCF総出力を客観的に見ても割安であり、今後の期待成長率を踏まえれば現在のEV/EBITDA倍率には大きな拡大余地が存在し得る(p20)」という分析を頂いております。
なお、CGS社のレポートではEV/EBITDAマルチプルを中心に、徹頭徹尾キャッシュフロー創出力に基づいた評価が行われておりますが、当社としてもM&Aを本業とする会社の評価には(一般的なPERに対比して)キャッシュフローに基づくバリュエーションであるEV/EBITDAがより経営実態を表しており、適していると考えております。
なぜならば、ロールアップM&A型の企業は、自社及び対象会社のキャッシュフローに依拠して資金調達をしてM&Aを繰り返しますが、資金調達ができないとM&Aができなくなり、結果的に企業価値や株式価値の成長が止まってしまいます。
換言すると、キャッシュフロー自体が成長の源泉であり、今後の成長可能性を示唆する指標となります。キャッシュフローを簡易的に示すうえで最も一般的な指標であるEBITDAを、当社の重要視するKPIとして今後も投資家の皆様にお示しして参ります。
なお、PERについては、キャッシュフローに基づいた評価をする観点、及び海外企業と比較する観点から、当社ホームページ記載の(疑似的なIFRSの当期利益である)「のれん償却前当期利益に基づくPER」がより実態を表していると考えておりますので、ご参考までに当社ホームぺージに記載しております。
成長の定義について
成長は「一株当たり株式価値(Cash EPS)」の成長であり、そのKPIとしてキャッシュフローを簡易的に示すうえで一般的な指標である「償却前営業利益(EBITDA)」を採用しております。
GENDAの成長の再現性について
①投資回収の極大化:シナジー効果による各社のキャッシュフローの成長
→①②が結果的にもたらす「フライホイール効果」
②投下資本の適切化:適切なバリュエーションでのM&A
③レバレッジ効果:低金利を活用した負債調達
以上の3点によって、GENDAの「一株当たり株式価値(Cash EPS)」の成長が今後も再現可能であると考えております。以下にてそれぞれ詳細をご説明させて頂きます。
①投下資本の適切化:適切なバリュエーションでのM&A
株価算定には様々なアプローチがありますが、理論的なアプローチの1つにDCF法があり、「将来キャッシュフロー総額(の現在価値)から純有利負債を控除した株式価値を株数で割ったもの」が「一株当たり株式価値」、つまり株価の理論値が計算できるとされています。
この中で、株式価値に最も大きな影響を与える説明変数は「将来キャッシュフローの総額」です。将来キャッシュフローに対する考え方は、大きく分けて2通り存在します。具体的には、追加投資を行うことで目の前のキャッシュフローを犠牲にして将来キャッシュフローを成長させるか、追加投資を抑制して目の前のキャッシュフローを最大化して株主に還元し、将来のキャッシュフローは安定したものとするか、です。
前者のように、追加投資をして目の前のキャッシュフローを犠牲にする場合は、投下資本と同額以上のキャッシュフローを将来的に生んで投資回収をしないと意味がありません(投下資本<投資回収)。更には、上場企業に求められる資本コストを加味して同額以上である必要があるため、絶対額としては同額を有意に上回る必要があります(投下資本<<投資回収)。
追加投資により将来キャッシュフローを増加させる手段は大きく分けて、オーガニック成長(新規出店)とインオーガニック成長(M&A)の2つがあります。この2つは異なるように見えますが、「投下資本に対して投資回収をする経済活動」という観点では、理論上は同じ経済効果となります。
そこで当社は、オーガニック成長(新規出店等)のために一単位の資金を投下することと、インオーガニック成長(M&A)のために一単位の資金を投下することを、同じ「追加投資」として効果測定をしております。具体的には、IRRで資本効率性(≒投下資本に対する投資回収の早さも加味した収益性指標)を測定しております。また株主様へのリターンを正確に判断するため、負債活用によるレバレッジ効果を加味したEquity IRRを使用しております。
但し、特にインオーガニック成長であるM&Aには投資の「規模」を追求することができるメリットがあります。つまり、投資の検討にはIRRだけではなく、キャッシュフローが増えた絶対額である「規模」(=NPVの大きさ)も重要となります。
M&Aは一単位の投資対象の「規模」が大きいため、例えるならば、1年でゲームセンターやカラオケを[100]店舗出店したのと同じ株式価値の増大効果を得られます。現実には、1年で[100]店舗の新規出店をすることは不可能であることに鑑みると、適切なバリュエーションであれば、M&Aが如何に大きな意味を持つかをご理解頂けると思います。
更に、当社のM&Aによるインオーガニック成長は、収益額(NPV)だけでなく収益率(IRR)もオーガニック成長以上となるケースが殆どです。ただ、現在はオーガニック成長(新規出店等)への投資も、インオーガニック成長(M&A)への投資も、IRRの絶対値としてどちらも十分に上場企業としての期待収益率を上回ること、またそれぞれに資金調達ができていることから、両立を実現しております。
今後も、株主の皆様からお預かりした資金に適切なレバレッジ(負債活用)をかけたうえで、上場企業としての期待収益率を上回ると見込む投資案件に、オーガニックやインオーガニックを問わず投資して参ります。なぜなら、期待収益率を上回る場合、資金調達ができている限りは株主還元するよりも再投資をした方が株式価値の最大化に資するためです。
従って、仮にM&A後の対象会社のキャッシュフローが成長せずとも、適切なバリュエーションでM&Aをすることだけで「一株当たり株式価値(Cash EPS)」の向上が可能となります。そして、この適切なバリュエーションでのM&Aそのものに再現性があることについては、CGSレポートの分析により言語化を頂いております(「エクイティストーリー① GENDAのM&A戦略は、成功する可能性が高い(p3)」)。
② 投資回収の極大化:シナジー効果による各社のキャッシュフローの成長
対象会社のM&A前後比較でのキャッシュフローが増加することは、投資回収を更に早期化し、IRR及びNPVを増加させ、結果的にGENDAが目指すべき成長の達成を可能とします。これがロールアップ型M&Aにおける醍醐味であるシナジー効果です。
前述の①に加え、M&A後の対象会社各社のキャッシュフロー(EBITDA)が成長しており、その再現性が高いことは既に公表の通りです。①と②を併せて、初期の投下資本(M&A)を適切化し、その後に対象会社のキャッシュフロー成長により、更に投資回収を極大化するサイクルを「フライホイール効果」としてお示しして参りました。
具体的には、4月23日に公表した「M&A進捗状況及び第1四半期見通しについて」にて、ゲームセンターのM&Aでは既にPMIの型を確立しており、宝島、スガイディノス、エービス、アムジー、ワイ・ケーコーポレーション、プレビ、について、全案件でのEBITDA増大(YoY+20%~+2,970%)に成功させたことを開示しております。
また、ゲームセンター以外でも、6月11日に公表した「2025年1月期第1四半期決算説明資料」の通り、プライズゲームの景品を企画するフクヤHD及び景品卸しを手掛けるアレスカンパニー、カラオケ事業のシン・コーポレーションもEBITDAを増大(それぞれYoY+142%、+305%、+85%)し、当社のエンタメプラットフォームの活用による無数のクロスセルによるグループ内でのシナジー発現による業績改善が可能であることをお示ししております。
③ レバレッジ効果:低金利を活用した負債調達
ここまでの①及び②によるフライホイール効果のみでも、株式価値の成長は可能ではあります。しかし当社は、低金利を利用した負債活用によって、当社の目指す「一株当たり株式価値(Cash EPS)」の成長の極大化を徹底しております。
「平時」に当社から能動的に金融機関にアプローチして借入取引を開始し、現在は銀行とリース会社の合計で52社から実際に借入を行っております。これにより、有事(M&A)の際の速やかな資金調達を可能にしております。直近の公募増資による資本増強により社債の選択肢も出る中、資金調達がM&A活動のボトルネックとならぬよう善処しております。
以上の通り、適切なバリュエーションでのM&A × M&A後のシナジー効果による各社のキャッシュフローの成長 × 低金利を活用した負債調達により、当社の目指す「成長」は再現性を持って実現していくことができると考えております。
M&A により一時的に Net Debt/EBITDA が上昇しても、対象会社の Debt Capacity の活用、対象会社の PMI による EBITDA 成長、既存事業の潤沢なキャッシュフローにより、Deleverage が急速に進みます。本日公表の M&A により一時的に今期末で 2.0x となりますが、今後追加的な M&A がなければ来期末で 1.5x、再来期末で 1.1x と、Deleverage が進む見込みと想定しています。
また、本日発表の株式交付によるシトラム社の完全子会社は、GENDA 株式を活用した M&A の第 1号案件です。これには以下のようなメリットがあるため、これを契機に活用して参ります。
①Debt Capacity を温存しながら M&A をすることが可能となります
当社は上場時点での Net Debt / EBITDA が 0.1x と、実質的にほぼ負債の活用ができておらず、資本効率性が低い状況となっておりました。そこから今まで、借入主体の M&A により適切なレバレッジを活用することで、一定の資本効率の改善を実現致しました。一方、ここからは借入一辺倒ではなく、Debt Capacity をコントロールをしながらの M&A 運営が必要となります。借入の対極として株式による資金調達がありますが、両者の中間的な手段として、今回の株式による M&Aは、M&A を戦略の中心に据える当社として Debt Capacity を温存しながら M&A を推進する有効な手段だと考えております。
しかし、株式対価による M&A は、Cash EPS の観点に於いて借入による M&A 対比で取得価額のバリュエーションがより一層重要となります。その点を以下の②にてご説明させて頂きます。
②当社 PER が対象会社 PER より高ければ、株式交付による M&A でも Cash EPS は向上します
株式対価の M&A に於ける PER と Cash EPS の考え方は上記の通りで、本日公開の M&A 資料にも詳細を記載しております。また、M&A の対価が株式と現金(借入)とのミックスとなる場合、対象会社の PER に株式での取得割合を積算した PER と当社 PER との対比となり、Cash EPS 増加のハードルは低下します。たとえば今回取得したシトラム社については、シトラム社の PER 5.9x に対し、その 80%分を PER 22x の GENDA 株式で取得することで Cash EPS は大きく増加致します(20%は既に借入で取得済み)。
M&A に於いて Cash EPS を重視する当社としては、株式交付の M&A は(取得割合を勘案後の)PERが自社対比で低い会社に限定して参ります。今後もこのような形で、①Debt Capacity を温存しながら M&A 戦略を進める上で、②当社の PER が対象会社の PER 対比で高く Cash EPS を向上させられる場合は、株式による M&A を有効な手段として考えています。
また、今回のシトラムへの株式交付の M&A には、①②に加えて更なるメリットがあります。
③GENDA 参画後のインセンティブともなります
売主でもあるシトラム社の代表者は、GENDA 参画後もシトラム社の代表者を継続致します。従って今回の GENDA 株式による M&A は、GENDA 参画後の株式価値向上に対するインセンティブとしても活用が可能となります。このように、対象会社株式の売主が M&A 完了後も GENDA にて事業を推進する場合、対価を GENDA 株式とすることでアップサイドを享受することが可能となり、M&A 完了後も GENDA の株式価値を向上させるインセンティブを持つことができます。
④大きくネットキャッシュであるシトラムに対する株式交付は、実質的に株式による資金調達となります
一般的な M&A では、対象会社に有利子負債があることが通常であるため、現金を差し引いた純有利子負債でもプラス(ネットデットの状態)となり、株式交付をしても対象会社の負債が加算されることが通常です。
しかし、今回のシトラムの株式交付による M&A 案件では、対象会社の直近期末時点で現預金 20.2億円に対して「無借金」であり、純有利子負債がマイナス(ネットキャッシュ)という状況でした。
結果的に、対象会社は企業価値 19.8 億円・株式価値 40 億円というバリュエーションとなります。従って、シトラムの株式価値 40 億円について、5 月 1 日に実行した 20%分の現金対価及び今回の 80%分の GENDA の新株発行は、19.8 億円がシトラム社のビジネスを取得することへの対価、残りの半分の 20.2 億円は実質的に同社の現金及び預金に対する対価となります。
これは、GENDAが株式による資金調達をしたのと同等の経済効果も併せ持っています。更に、今回は実質的にGENDAが株式による資金調達をしながら Cash EPS を改善する一手となります。また、対象会社のオーナー側としても、対象会社の現預金を個人で対象会社から配当として引き出すよりも、同現預金も含めて売却したほうが税務上も手取り金の最大化の観点から合理的でもあることから、今後も一定の再現性があるものと考えております。
①②の観点だけでも今後は株式による M&A を活用して参りますが、更に③④の要素が揃う今回のような案件も上手く活用し、Debt Capacity をコントロールして参ります。M&A を本業とする当社は、今後も M&A による「連続的な非連続な成長」及び Cash EPS を意識した経営を進めてまいります。
注:対象会社ののれん償却前当期純利益が黒字である前提。一過性の M&A 関連費用は加味しない前提。PER は Cash EPS ベースでの PER、つまりのれん償却前当期純利益での PER を示す。
ここまでのゲームセンターのロールアップの中で、多くのお店はGiGOのブランドに転換しており、今後も大きくはそのような考え方で進めていきます。ただし、それがお客さまやステークホルダーにとって必ずしも最適ではないと判断した場合には、その限りではないと考えています。
詳しくはログミーファイナンスに掲載の「第6回定時株主総会 書き起こし」をご覧ください。
①ゲームセンター関連
順調に進捗しております。詳しくは下記資料をご覧ください。
2024年4月23日開示「M&A進捗状況及び第1四半期 見通しについて」P10~18
https://ssl4.eir-parts.net/doc/9166/tdnet/2423905/00.pdf#page=18
アミューズメント事業におけるM&Aでは、本日開示した『M&A進捗状況及び第1四半期の見通しについて』の通り、セガエンタテインメントの後にM&Aを行った6つのゲームセンターの全てに於いて、償却前営業利益(EBITDA)が大きく成長しており、PMIが順調に進んでいます。
加えて、IPO以前のゲームセンター3案件は、当社へのキャッシュフロー連結タイミングが、宝島は約2年強前の2022年2月、スガイディノス及びエービスが約1年半前の2022年10月ですが、既に投資回収を実現しており、現在生まれているキャッシュフローは全額ステークホルダー様にとってのアップサイドとなっております。
当社が最も重視している(PMIを想定しない)キャッシュフローに基づく適切なエントリーバリュエーションに加えて、実際にはPMIが奏功して「フライホイール効果」を発揮している状況となっております。ゲームセンターについては、PMIの「型」が確立しているため、IPO後の案件も同様に進めてまいります。
また、カラオケ事業もPMIは大変順調に進んでおります。具体的には、シン・コーポレーションは創業来35年間連続で2月単月は赤字となっておりましたが、当社が連結を開始した2024年2月において、早速創業来初の単月黒字化を達成しました。2月及び3月は既存店成長率が13%と、計画していた0%対比で大きく上回り、通期での創業来最高益の達成確度が更に高まっております。
カラオケなど、今後もゲームセンター以外でもシナジーの最大化に努めて参ります。これらの実績についても、M&A後一定期間の比較可能なデータが揃いましたら、然るべきタイミングにて公表させて頂きます。
以上の通り、傘下のエンタメ企業群によるシナジー自体は各分野に幅広く実現が可能でありますが、本資料「Q1」にて回答の通り、当社では適切なバリュエーションでの取得を徹底しており、投資委員会を中心に、資金を投下してそれ以上に資金を増やして回収する、という投資の基本を徹底しています。
そのため、PMIによる業績改善無しでも充分に投資回収が可能なM&Aを行っており、当社においては、PMIはあくまでプラスアルファの付加価値をもたらすものとなっております。
②ゲームセンター周辺領域
順調に進捗しております。詳しくは下記資料をご覧ください。
2024年6月11日開示「2025年1月期第1四半期決算説明資料」P20~21
https://ssl4.eir-parts.net/doc/9166/ir_material_for_fiscal_ym/157493/00.pdf#page=21
③カラオケ関連
順調に進捗しております。詳しくは下記資料をご覧ください。
2024年6月11日開示「2025年1月期第1四半期決算説明資料」P22~23
https://ssl4.eir-parts.net/doc/9166/ir_material_for_fiscal_ym/157493/00.pdf#page=23
④F&B関連
順調に進捗しております。詳しくは下記資料をご覧ください。
2024年6月27日開示「直近公表のM&Aに関して」P21
https://ssl4.eir-parts.net/doc/9166/tdnet/2467273/00.pdf#page=21
M&Aの対象会社が創出するキャッシュフロー対比で、買収時のバリュエーションが割高であることは大きな問題となります。なぜなら、投下した現金が将来的に回収できない可能性が高くなるためです。
そのため、当社ではM&A戦略に於いてキャッシュフローに基づくバリュエーションを最も重要視しております。
上記の観点で言えば、のれんの絶対額そのものは理論上必ずしも問題とはなりません。ただ、一般的に割高な案件ではのれんの絶対額が大きくなる傾向にあることや、日本会計基準に於けるのれん償却費を控除した後の営業利益をいたずらに圧迫することを避ける観点でも、のれんの絶対額を増やさないことは肝要だと考えております。
以上に鑑みて、当社では「M&Aの規律」として、M&Aに於いてキャッシュフローベースでのエントリーバリュエーションを最も重要視しており、適切なバリュエーションでのM&Aを徹底しております。その前提が満たされたうえで、可能な限りのれんの金額の抑制にも努める、という考え方をしております。
また、その結果として、本日開示した『M&A進捗状況及び第1四半期の見通しについて』にも記載の通り、投資回収は順調に進捗しております。
加えて、本資料の「Q3」記載の通り、ゲームセンター以外の分野に於いても、シナジーを大きく発揮し、PMIは想定以上に奏功している状況です。ゲームセンター以外のPMI状況についても、同様に今後発表して参りたいと思います。
なお、たとえばゲームセンターのM&Aでは、クレーンゲームのなど簿価が比較的小さい資産、減価償却が進行し簿価上は少額となった資産であっても、アニメ人気などによるお客様の需要に支えられ、潤沢なキャッシュフローを生むケースがあります。
その場合、その将来キャッシュフローに基づいたバリュエーション対比で、バランスシート上の純資産額が小さく見えるため、その差額として結果的にのれんが発生しやすいことがあります。ただ、当社ではバリュエーションの理論に基づき、キャッシュフローに基づくバリュエーションを優先し、その上で可能な限りのれんの金額の抑制にも努める、という考え方をしております。
当社では適切なバリュエーションでの取得を徹底しておりますが、投資家の皆様に於かれましては、取得価額が非開示であることで、適切なバリュエーションでの取得かどうかについてご懸念をお持ちの方もいらっしゃるかと存じます。
その点に関する開示として、本日開示した『M&A進捗状況及び第1四半期の見通しについて』にも記載の通り、順調に投資回収が進んでいる点を発表しております。一般的には資金回収に長期間を要するケースが多いM&Aに於いて、当社ではIPO前のM&Aについては早期での投資回収を終え、現在から将来的に発生するキャッシュフローは全て、当初の投資金額を上回って当社のステークホルダーに還元されていく状態を実現しております(ゲームセンター以外のPMI状況は、後述の「Q3」をご覧ください)。
更に、取得価額の大部分を負債調達し、当社からの拠出額を極小化したことで、当社が実際に手出しで投下した資金回収の観点では、前述の投資総額ベースでの資金回収を上回る実績を実現しております。
結論、M&Aのスピードを優先するためです。
弊社はSHIFT社と並んで「2023年で日本一M&Aをした会社(10件)」となりましたが、弊社は2023年7月に上場しており、その10件(その他も合わせて15件)を上場後の5か月間で実行しました。現在、日本で最もスピーディーにM&A案件を実行していることがお分かりいただけると思います。
一方で、過去案件の対象会社全てが日本会計基準を採用しており、今後もその傾向が続く可能性が高いと考えております。弊社がIFRSを採用した場合、M&Aした会社についても(たとえそれが小さくても)IFRSを適用していたと仮定した場合の過年度の計算書類を計算し直す必要があります。これは、冒頭のM&Aのスピード感とはかけ離れたスピード感に落ちてしまうことがご理解頂けると存じます。
以上を踏まえ、IFRS適用による名目上の利益増加メリットと、弊社のM&A現場でのスピード感を天秤にかけ、M&Aを最大の成長ドライバーとする弊社としての意思決定として考えを及ぼすとき、IFRS導入の見送ってでもM&Aのスピード感を最優先し、非連続な成長の果実を株主の皆様に還元することが、弊社の最終的な意思決定となりました。
その上で、M&A企業としてIFRSを導入していないことのデメリットを補うために、投資家の皆様に実態をお伝えする観点で、EBITDAやのれん償却前当期利益の説明を繰り返し強調している状況です。
欧米に於けるM&A企業(通称Serial Acquiror)は多数いて、その考え方は欧米の資本市場には一般的です。その上、M&Aをする会社もされる会社も、のれん償却をしないIFRSや米国会計基準が一般的となります。
そうでない日本市場に於いて、以上の考え方の浸透には時間を要するとは思っています。しかし反対に言えば、以上の考え方が浸透するまでは更なる投資妙味が残っている、と考えております。なぜなら、仮に当社がIFRSに変更すると、会社として本質的な違いが無いにも関わらず、見た目上の営業利益と当期利益は突然大きく上昇し、逆にPERは突然大きく下がって割安に見えることになるためです。
2040年に世界一のエンタメ企業としての時価総額やEBITDAを目指す弊社が、今の5倍10倍の大きさとなったとき、小さいM&Aを何件も繰り返す事の全体に対する重要性が減ってくる状況が訪れる、或いはそれを十分に処理できるほど大きな組織になっていると考えています。そのときには、IFRSへの変更のメリットが勝るタイミングが出てくる可能性があると思います。
結論、のれん償却費が控除された利益指標を使用して企業価値を判断することは、後述の理由から、企業価値を二重で控除してしまうことになるためです。
まず、オーガニック成長のみをする通常の企業では、営業利益で測ることが適切だと考えています。なぜなら減価償却費は、設備投資により「実際に」今後もキャッシュアウトが続くものであるためです。本来的には営業利益に足し戻す必要は無いと考えています。
一方でのれん償却費については、既に取得した株式取得にかかる追加のキャッシュアウトは無いものとなります(設備投資は当然致しますが、減価償却費について上述の通りの整理です)。その点に於いて、減価償却費とは大きく異なります。
この違いにより、後述の通りのれん償却費を業績の分析の際にも控除されると、企業価値から二重で控除されていることになります。なぜなら、キャッシュアウトは取得完了時に既に終了し、それは既に現金の減少か負債の増加でバランスシートに織り込まれ、設備投資と違って将来的に発生しないためです。
会社の本質的な企業価値を測るDCF法では、未来永劫発生するフリーキャッシュフローを全額合算したのち、最後にバランスシートの純有利子負債を控除して株式価値を計算しますが、まさにその純有利子負債に反映済みなわけです。それにも拘わらず、M&Aの会社において営業利益でその後を判断するのは、二重で価値が控除された状態になってしまうのです。
M&A企業は、のれん償却費だけがオーガニック成長をする企業と異なるため、のれん償却費の足し戻しを強調しています。GENDAもその点では、営業利益にのれん償却費を足し戻した数値であれば、検査指標として適切であると考えています。つまり、厳密にはEBITAとなります。
また、オーガニック成長のみをする企業は、基本的にのれん償却費はゼロであるため、ある意味では営業利益に(ゼロの)のれん償却費を足し戻した数値として営業利益=EBITAであるとも言えます。
しかしEBITAは、汎用的なデータベースで表示される指標ではないため、一般的な指標であるEBITDAでの判断を推奨させて頂いております。
また、以上は支配権を獲得する前提での全株式ベースでの価値算出の考え方ですが、支配権が無い1株当たり価値で見る際には、PERを参照し、同業他社と相対的に比較されることが一般的であると考えています。
M&A企業のバリュエーションをPERで見られる投資家様は、のれん償却前のPERでの考え方が適切であると考えております。それは疑似的なIFRSでのPERと同じであるためです。なぜなら、のれん償却前のPERであれば、どの会計基準を導入してもほぼ変わらないためです。
つまり、当社が仮に将来的にIFRSを導入した場合、当然ながら当社に本質的な変化は無いにも拘わらず、各データベースで当社の当期純利益をベースとしたPERが突然下がり、割安になったような見た目になりますが、それは本来正しくないためです。従って、どちらの会計基準を導入しても変わらないのれん償却前のPERが適切であると考えています。
一方、のれん償却前のPERは、一般的なデータベースでは見られませんので、ご参考までに簡易的に当社ののれん償却前のPERを見る方法をご説明します。結論、当社の場合は、「当期利益のPER × 0.8倍 = のれん償却前 当期利益のPER」となります。
なぜなら、当社の今期予想ではのれん償却前 当期利益が54億円、当期利益が43億円ですので、約1.25倍の差があるため、通常のデータベースで見られるPERを1.25分の1すると(1/1.25=)0.8となるためです。
当社は、エンタメ業界に於けるM&Aを成長戦略の柱に据えており、「連続的な非連続な成長」を標榜しております。そのため、「特定の業界に於いてM&Aを繰り返して非連続に成長する会社」が比較対象であると考えております。
業種が「M&A」である会社は、欧州及び米国には古くから多く存在し、年間数十件~数百件のM&Aに従事して、一般的にSerial Acquirorという分類をされております。
翻って当社は、2024年1月期の会社業績予想が、売上高530億円、EBITDA 78億円、営業利益50億円となっておりますが、2024年1月22日に開示した『2023年12月以降の M&A進捗 及び業績予想 について』の25ページの通り、2024年1月期中にM&Aで取得した企業の業績貢献により、2025年1月期には売上高900億円超、EBITDA 120億円超、営業利益65億円超である旨をお示ししております。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/9166/tdnet/2382538/00.pdf#page=25
これはYoY成長率にすると、単純計算で売上高+70%、EBITDA+54%、営業利益+30%であり、当社の売上の多くを占めるゲームセンター業界に於ける、新規出店及び既存店売上成長を中心としたオーガニック成長、並びに、一般的なエンタメ業界のオーガニックでの年間成長率とは大きく異なるものとなっております。 以上の通り、当社はエンタメ業界でM&Aをすることにより、今後も連続的な非連続な成長を積み重ねていく想定であるため、「特定の業界に於いてM&Aを繰り返して成長していく会社」が比較対象企業であり、当社が従事する業種は「M&A」であると考えております。
当社は次の理由から中期経営計画の公表を予定しておりません。
当社はM&Aを成長戦略の軸に据えておりますが、M&Aを折り込んだ中期経営計画を公表すると、業績を達成するために無理なM&Aを遂行する可能性があり、結果的に高値掴みをしてしまうリスクがあると考えている一方、オーガニック成長のみを折り込んだ中期経営計画の公表は、M&Aを成長戦略の軸に据える当社グループの成長軌道とは大きく異なるものをお示しする可能性が高くなってしまうためです。以上の理由から、当社は中期経営計画の開示を控えております。
2040年までの成長イメージは「2023年12月以降のM&A進捗及び業績予想について」のP31をご覧ください。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/9166/tdnet/2382538/00.pdf#page=31
当社では、“食”は「生きるための食」と「余暇としての食」の二つに大別されると考えております。「余暇としての食」は既に当社のアミューズメント事業で既に長く従事しており、今後も伸ばせる分野であると考えております。
具体的に当社グループでは、アニメ・漫画・アーティスト・キャラクターなどの人気コンテンツと飲食店がコラボをして、その作品やキャラクターにちなんだメニューをGiGOの店舗で提供する「GiGOコラボカフェ」や、「GiGOのたい焼き」といったエンターテイメントの文脈においての“食”への取り組み実績がございます。
人々に楽しさをお届けできる“食”については、当社グループが取り組むべき領域として、投資すべき案件があれば検討して参ります。一方で、「生きるための食」としての一般的な飲食事業(例えば外食産業など)へ進出する予定はございません。
業績・財務について
要因は①既存事業の上振れ、及び②M&A により取得した企業の業績寄与の 2 点です。
注: 連結業績寄与額が 10 億円以上の既存事業及び新規 M&A 案件を記載。一過性の M&A 費用(414百万円)を除く。GGE は GENDA GiGO Entertainment を示す。GGE 及びフクヤ HD は連結業績を記載(但し、GGE 連結は Kiddleton を除く)。
① 既存事業の上振れ
既存事業は上記のとおり、期初計画を大幅に上回りました。主に、引き続き好調なアミューズメント施設及びその周辺領域、並びにカラオケの増益が寄与しております。
② M&A により取得した企業の業績寄与
期初計画には想定していなかった今期発表した M&A 案件のうち、既にクロージングを迎えたシトラムの利益貢献が寄与しています。
① 期初計画を上回った既存事業(+20 億円)
Q1 にて回答の通り、既存事業の実績が強く、上期で約 20 億円の上振れありました。下期想定は期初計画から変更しておりません。なお、下期のゲームセンターの計画も「既存店売上1 桁前半%成長」となりますが、それに対して足元のゲームセンターの状況は、TWICE LOVELYSのキャンペーンや、GiGO 大阪道頓堀本店が奏功した影響もあり、既存店売上成長率は商戦期の 8 月で 106%、9 月の同指標は 8 月を上回る状況と、好調を維持しております。
② 期初計画には織り込んでいなかった M&A の寄与(+80 億円)
期初には想定していなかった、公表済みの M&A 案件(サンダイ、アメックス、NEN、シトラム、音通)による、今期への売上寄与(全て 12 ヶ月未満)が約 80 億円となります。
売上については、今後の M&A による一過性費用に関係なく上乗せされること、及び、売上の上方修正に伴う適時開示基準を上回ることから、売上のみ上方修正させて頂きました。
当社は M&A を本業としますが、M&A を繰り返す内に、期初時点で想定していた当社の収益力の実力値と、期中の M&A を加味した実力値に、大いに乖離が生じます。投資家の皆様にとって、連続的な非連続な成長を標榜する当社への投資判断には、そのような情報の非対称性は好ましくなく、適時適切に M&A を加味した実力値をお示しすることが重要であると考えております。
当社では、そのような収益力の実力値を、12 ヶ月間で創出できる売上及び利益と考えております。この際の前提条件としては、追加的な M&A が無く、それ故に期中の一過性の M&A 関連費用もなければ、M&A の対象会社による業績貢献もない、という状態であると考えております。
この実力値をお示ししようとする際に、M&A をした「当該年度」の通年業績予想では、それが叶いません。なぜなら、M&A を発表した当該年度では、業績予想に①一過性の M&A 関連費用が入ってしまうため、また、②M&A 対象企業の業績貢献が 12 ヶ月未満であるため、でございます。
一方、冒頭の実力値は「来年度」業績予想とほぼ同義となります。なぜなら、当社は業績予想に未公表の M&A は織り込まないため、上述の①②を排除することができるためです。
従って今後も、期中の M&A が当社の「期初想定」の実力値に対して一定以上の影響を及ぼす場合には、M&A 関連費用を除き、丸 12 ヶ月の業績貢献をした前提での実力値、つまり翌年度の業績予想を、通期決算を待たずに適時適切に開示していくことを想定しております。
今年度も一定の M&A 関連費用がかかりますが、「上期」終了時点で既に KPI の償却前営業利益の実力値を 130 億円→185 億円と+55 億円(+42%)成長させております。M&A 費用をかけずに 130億円+αの成長とするよりも、M&A 費用をかけて非連続な成長を実現したいと考えております。
来期業績予想には、①未公表の M&A による業績貢献(及び一過性費用)は含めず、②既存事業及び公表済みの M&A 対象会社による成長を保守的に織り込んだもの、となっております。
なお①をする理由は、現時点で確定していない M&A を織り込んだ業績予想を公表すると、業績を達成するために無理な M&A を実行し、結果的に M&A で高値掴みをしてしまうリスクがあるためです。当社が中期経営計画を開示していないのも、同様の理由に基づくものです。
一方で、現時点で公表している来期業績予想とは無関係に、足元の M&A パイプラインの一日でも早い発表に向けて、社内一丸となって善処しております。
今回の公募増資で調達した 100 億円は、全額を将来の M&A の待機資金としております。従って、本日時点で公表済みの M&A 案件に対して、遡及的に充当することは一切ございません。同100 億円は、本日以降の M&A 案件に、負債調達と併せて順次使用して参ります。
また、100 億円をお預かりした 7 月 31 日時点から、キャッシュアウトは無いものの、負債に於ける金利と同様、株式に対する資本コストが発生し、実際に M&A に使用する前にも、投資家様へ還元すべきコストが複利で発生している認識でございます。一方で、M&A を本業とする当社としては、拙速な M&A に使用すべきでないとも考えております。
従って、実際に M&A で使用するまでの機会損失を最小限に留めるため、当社は現在、同資金を現預金口座に置いておくことなく、少しでも金利収入を生み出すために、低リスクで短期の資金運用を行っております。なお、M&A 資金を実際に送金するのは、発表時ではなく最終的な完了時であるため、短期の資金運用が M&A を妨げることはございません。
投資家様からお預かりした資金について、M&A 案件を吟味しつつも積極的に行い、足元のパイプラインを 1 つずついち早く発表して参りたいと考えております。
為替影響はゼロではございませんが、海外比率が低いこと・海外商取引も多くないことから、業績に占める為替影響は軽微でございます。2024年6月に発表したNational Entertainment Networkの持分取得に関する資金決済は今後実施されるため、円高が進行した場合は円ベースでの取得金額は少なくなります。
弊社は変動金利建てでの借入を選好しているため、金利上昇に伴う影響はございますが、足元の国内の借入コストは引き続き十分に低い水準であるため、本業への影響は軽微であると考えております。
具体的な例として、現実的には考えにくいものの、仮に当社の調達金利が突然+1%上昇した場合を考えてみます。
NEN及び音通がクロージングすると、当社の有利子負債は約500億円となりますが、その1%分の5億円 が追加コストとなる計算です。この5億円という追加コストは、当社のEBITDA通期予想130億円に対して占める割合としては3.8%に留まるため、当社のキャッシュフローへの影響は軽微であると考えています。また、前述の有利子負債1,050億円及びEBITDA 290億円で同様のケースとなった場合でも、同3.6%に留まります。
またこれは、借入を全て変動金利で行っている場合の試算ですが、実際には固定金利での借入も存在しており、実際の影響額は更に小さくなります。
このような試算にもとづき、M&Aでの成長戦略を掲げ、前年同期比でEBITDA成長率が60%となる計画を有する当社では、金利上昇に伴う金利負担増加の影響は、国内の借入コストが依然として十分低い水準であるため、影響が軽微であるものと考えています。
公募増資に至った理由
理由は以下の4点でございます。
- 1.M&Aを成長戦略とする当社に於ける、公募増資という市場からの最大の懸念材料を、株式価値の希薄化を最小限に留めながら払拭することが可能な状況であったため
- 2.上場後のソーシング力強化により増加の一途を辿るM&Aのパイプラインを前に、資本的な制約を取り払って最速で執行する体制に入るため
- 3.借入余力が十分存在する間に財務体質を強化することで、盤石な金融機関からの支援体制を更に強化しつつ、社債も含めた借入余力を向上させるため
- 4.当社株式の課題であった、株式の流動性を改善するため
以降、それぞれ詳細を説明させて頂きます。
- 1. 株式価値の希薄化の最小限に留めた公募増資
M&Aを成長戦略とする当社は、Cash EPSを最重要視しておりますが、その希薄化について最小限に留めながら公募増資を完了し、M&A待機資金100億円を調達しております。
まず、発表時の株価水準は上場来最高値を2営業日連続で更新した7月16日の引け後と、希薄化の最小化が可能なタイミングとなりました。また、発表当日の夜時点で既に海外機関投資家からの大幅な超過需要を形成しておりました。新株発行による株式数の名目的な希薄化率は約7%でしたが、翌営業日の7月17日の株価終値は▲2.5%の下落に留まる中、超過需要に基づいて同日プライシングが可能となり、マーケットリスクを最小限に留めました。条件決定も、レンジ内で最小のディスカウント(3.04%)となりました。
以上のことから、当社の最大の懸念材料であった希薄化イベントについて、実態的にはCash EPSへの影響を極小化、つまり、既存株主様のご資産である株式価値の希薄化を最小限に留めつつ、100億円を調達することに成功致しました。
更に、公募増資により調達した現金100億円は、先週水曜日の7月31日に入金され、本日現在で当社の銀行口座に存在しております。
この100億円が、過去の資金調達の返済など、当社の連結キャッシュフローを増やさない方法で使用された場合は、この公募増資が実質的にも株式価値を希薄化するものであると考えております。一方で、当社の連結キャッシュフローを、本公募増資の名目上の希薄化率である7%以上増加させる方法で使用された場合には、この公募増資は希薄化を起こすものではなく、むしろ公募増資によって理論的な株式価値を上げていく資金となります。簡易的には、例えば当社予想のEBITDA 130億円に対して+9億円以上増えるかどうか、また実際には負債調達のレバレッジ効果により、更にハードルは低くなります。
翻って当社は、この100億円を全て本日以降に発表するM&Aに使用させて頂きます。既に発表済みかつ完了済であるM&Aに対する借入の返済に充当する予定は無く、また、既に発表済みながら完了前であるM&AであるNEN及び音通に関しても、それぞれみずほ銀行様、三井住友銀行様から、株式取得対価の全額を借入とするための資金調達決裁を頂戴しております。
以上から、当社としては今回の公募増資について、希薄化を抑えるだけでなく、将来的なM&A活動の加速によって大きく株式価値を向上させるための施策であると考えております。
一方、足元では歴史的な株式市場の調整局面が到来しております。結果的に、今回の公募増資にご参加頂いた海外機関投資家様の投資簿価は2,042円と、足元の株価水準とは大きな乖離がある状況でございます。株式市場のシクリカルな調整は現実的には避けられませんが、公募増資の前後を含めご資金を託して頂いた全ての投資家様に報いるために当社が今できることは、市場環境に関わらず、本日現在で当社の目の前にある潤沢なM&Aのパイプラインを1つずつ1日でも早く発表し、非連続な成長の果実をいち早く投資家の皆様にご提供することだと信じております。
その観点で、今回の公募増資が今後の当社のM&A体制を大いに強化するということを、次の②にてご説明させて頂きます。
- 2. 今回の公募増資による、M&A執行体制の強化
当社は今回の公募増資によって、上場後のソーシング力強化により増加の一途を辿るM&Aのパイプラインを前に、資本制約を取り払って最速で執行する体制に入ることができると考えております。それぞれ説明させて頂きます。
まず、上場して1年が経過する中、M&Aの新規案件のソーシング(案件発掘)力が大きく向上致しました。かつて、当社の主軸は業界のインナーサークルでのソーシングでしたが、上場1年間を通じて、取引金融機関の約50社様、並びにM&A仲介業者の約100社様から、毎日潜在的なM&A案件のご紹介を頂いております。前期1年間でのソーシング件数が170件であったところ、今期は開始3ヶ月の1Qのみで既に同99件となりました。
その成果の1つが、カラオケ業界へ参入して間もない当社が、カラオケ機器の流通業界2位の上場企業である株式会社音通社へのTOBを、同社の賛同表明に基づいて発表するに至ったことであり、今までには無かったエンタメ業界のM&Aに対する引力が発現した事例だと考えております。また、ゲームセンターやカラオケを中心に、グループインした主要各社がPMIにより前年同期比で成長を遂げていることは既に公表している通りでございます。
加えて、本日現在の当社の預金口座には、公募増資で調達した100億円が存在しておりますが、自社の預金口座に「M&Aに充当可能な多額の現金が存在している」のは、当社としては創業来で初めての状況です。というのも、IPOで新株発行により調達した50億円は、その全額が設備投資向けの資金であり、M&Aへの使用はございませんでした。上場後、ほぼ全てのM&Aを一件ずつ借入で資金調達をしてきた当社としては、本日以降のM&Aに使用してもよい現金が既に豊富に存在している、ということが今までにない新しい景色となっております。
また、通常の公募増資では、投資家保護の観点からいわゆる(発行体)ロックアップにより、いかなる新株発行も制限されることが慣例であり、株式でのM&Aが制限されることが一般的です。今回の当社の公募増資でも、当社は6カ月間の新株発行による資金調達が制限されております。しかし、M&Aを成長戦略とする当社としては、(新株発行を伴う)株式によるM&Aを制限することは、寧ろ投資家の皆様の望むところではないと考えておりました。
そこで今回当社は、「株式を取得対価とするM&A」(例えば株式交換や株式交付によるM&A)を行う場合にのみ、公募増資完了後の発行済み株数の5%までの新株発行をすることを許容されるストラクチャーに誂えております。このようにして、今回の公募増資が成長の制約とならぬよう、当社のM&A実行力を最大限まで引き出せるように配慮しております。
更に、足元の市場環境では株式での資金調達が実質的には困難であったであろうことに鑑みると、この全面的な株価調整局面を前にM&A待機資金100億円を既に手にしていることは、当社の長期的なM&A活動にとって大きな意味があります。加えて、当社が公募増資で調達した資金は、Cash EPSベースのPERで29xでの調達資金となりますが、この現金を使用してCash EPSを増加させるためには、理論的には対象会社の同PERが29x未満であればよいため、この国内全域に及ぶ株価調整局面では、より一層強力な資金源となります。
上場後からM&Aパイプラインは日々拡充される中、調達した100億円の資金使途が明確に存在しており、今までで最も制約から解放された状態でM&A活動を進められる体制になったこと、そしてそれを通じて、中長期的には株主の皆様のご期待に必ずや沿えるという思いから、役職員一同、士気が高まっております。この100億円に、借入余力の拡充を通じた有利子負債の借入によってレバレッジを掛け、Cash EPSが増加するM&Aを最速で遂行し、非連続な成長を投資家の皆様に提供して参りたいと考えております。
- 3. 金融機関の支援体制強化と借入余力
当社は上場以降、ほぼ全てのM&A案件を借入で調達していた結果、M&Aの資金負担がほぼ全て金融機関に寄っていた状況でした。斯かる状況下、当社としてはM&A戦略が更に加速することに鑑み、十分な借入余力を有している間に当社の株式市場での資金調達力を示すことで、盤石である金融機関との関係性を更に強固なものにすることができました。
また、当社はキャッシュフロー指標では借入余力に於いて余裕がある一方、Cash EPSを意識した借入によるM&Aを継続していたことから、国内格付機関が重視する純資産の「絶対額」が小さいことが課題でした。しかし今回の公募増資により、当社の純資産が約200億円から300億円と1.5倍になるため、社債を含めた直接市場からの資金調達が合理的な選択肢となる可能性もあると考えております。
また、公募増資の100億円によって借入余力は大きく改善されます。具体的にご説明させて頂きます。
金融機関との議論の中ではNet Debt / EBITDA 3.0xが借入余力の目安であり、足元の同指標は2.0xである旨を公表しておりましたが、今回の公募増資によってこれが大きく改善されます。この状態から、M&Aによる有利子負債の調達で同指標が3.0xになるために、総額いくらの有利子負債を借りられるかを、機械的に計算致します。それに際して、当社の現預金、EBITDA、対象会社のNet Debtに一定の前提条件を仮定させて頂きます。
まず、現預金については、公募増資の100億円は一時的に現預金を増加させますが、全額をM&Aに充当する予定であり最終的にはゼロとなるため、公募増資前の現預金180億円を横置き、と仮定致します。
次に、EBITDAの増額分についてです。純有利子負債(Net Debt / EBITDAの分子)が増加するということは、当社の場合はその分M&Aを実行することを意味し、その結果としてM&Aにより対象会社のEBITDAも連結され、連結EBITDA(分母)も増加するため、分子と分母が同時に増加することになります。有利子負債が一単位増加した際に、どの程度EBITDAが増額するか、という仮定をする必要があるため、EV / EBITDA倍率が5.0xでのM&Aを想定します(ご参考までに、直近公表しているM&AであるNEN、音通、シトラムの3件のEV / EBITDA倍率は、それぞれ3.6x、5.6x、1.8xでした)。たとえば有利子負債100億円をM&Aに使用すると、EBITDAが20億円増加する計算です。
最後に、当社が過去にM&Aをしてきた対象会社のNet Debtはプラスとマイナス(Net Cash)が混在し、M&A後の純有利子負債の増加には濃淡がございました。今回は中立的な計算を目的に、対象会社のNet Debtはゼロ(つまりキャッシュフリー・デットフリー)という前提とします。
以上の前提に基づき、今回の100億円の公募増資後に、Net Debt / EBITDAを3.0xにする有利子負債とEBITDAを機械的に求めると、有利子負債は1,050億円、現預金180億円、EBITDAは290億円となります。NEN及び音通がクロージングすると当社の有利子負債は約500億円となりますが、機械的な計算では、今回の公募増資で得た資金100億円により、追加的に550億円の有利子負債が調達可能となる計算となります。
現実的には、M&Aによる負債調達余力は、のれんと純資産の金額やM&Aのスピード、対象企業等の総合的な観点にも影響されますが、定量化可能な指標であるNet Debt / EBITDA 3.0xに限定した、一定の前提に基づく機械的な計算としてお示ししております。
- 4. 株式の流動性の改善
当社のIPO以降の株主層の大部分が安定株主層(詳細は後述の通り)となっていた中、特に大型の運用資金を有する機関投資家様が新たに市場で当社株式の投資を検討される際、株式の流動性向上についてのご意見が寄せられるようになっておりました。
まず、「吉村英毅・ミダスB投資事業有限責任組合」が約38%、「ミダスキャピタルGファンド有限責任事業組合」が約5%、当社役職員合計で約24%を保有しておりました。加えてIPO時には、2023年7月19日開示の「訂正有価証券届出書(新規公開時)」にて記載の通り、アセットマネジメントOne株式会社様より564,900株(1.52%)の親引けによる株式取得をしていただきましたが、その際の保有方針は「長期保有の見込みであります」との開示となっております。また、2023年7月10日開示の「訂正有価証券届出書(新規公開時)」にて記載の通り、Capitalグループ様より「取得総額2,711百万円」の株式(4.19%)に対する関心の表明(Indication of Interest)を頂きましたが、同じく「中長期的に保有するという保有方針」として開示しております(なお、本件はあくまで関心の表明でありますため、親引けと異なり、IPOに於ける実際の株式配分は非開示となっております)。
当社株式が流動性のある株式市場に上場しているという性質上、株主様の売買について当社が言及すべき立場にはございませんが、当社の業績が昨年対比で拡大する中、相対的には流動性の低い安定株主層が大部分を占めているのは事実です。 斯かる状況下、当社は株式分割にて流動性の向上に努めておりましたが、根本的な改善策として、新株発行100億円を実現しつつ、ミダスキャピタルGファンド有限責任組合から一部売出し(1.5%、約20億円)に関する合意を取り付けた形となります。マクロでの調整局面もありますが、結果的に足元で取引高は有意に増加しており、流動性の向上に伴い、中長期的にはセカンダリーマーケットでの大型の機関投資家の買い付けの素地も整えられたものと考えておりますので、より一層のIR活動に努めて参ります。
全額 GENDA での円調達を想定しており、借入はクロージング時点での実行となります。当社では国内の低金利環境を利用した借入による M&A を通じて、株主価値の極大化を目指しております。
為替リスクの観点では、NEN 株主へ支払う取得対価を GENDA から(GiGO を通じて)Kiddleton へ(貸付ではなく)出資を想定しており、為替差損益の影響を BS の純資産内での為替換算調整勘定のみとし、PL への影響を排除できると考えております。
更に、当社では国内事業で円建ての潤沢なキャッシュフローが出ておりますので、当該借入金の返済は NEN のドル建のキャッシュフローによらず返済が可能であるため、実質的にも為替リスクは僅少です。
結論、足元でゲームセンター及びカラオケを中心とした強いオーガニック成長が確認できたためです。
もともと、2024年1月22日開示のガイダンスでは、売上高約900億円、EBITDA約120億円、営業利益約65億円を見込んでおりました(「2023年12月以降のM&A進捗及び業績予想 について」25ページをご覧ください)。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/9166/tdnet/2382538/00.pdf#page=25
しかし、M&A対象会社への様々なシナジー施策が奏功しており、足元でゲームセンターやカラオケを中心に強いオーガニック成長を観測しております。それらの実績についても、M&A後一定期間の比較可能なデータが揃いましたら、然るべきタイミングにて公表させて頂きます。
端的に申し上げれば、2025年1月期より法人税の支払いが発生するためです。
つまり、2024年1月期は繰越欠損金により法人税等合計額は約2億円のみに抑制されていたところ、2025年1月期は法人税が正常化し、同約20億円という計画となっています。むしろ、法人税支払いが前期対比18億円増えたにも関わらず当期純利益が増益計画となっているのは、前期のM&Aなかりせば為しえなかったことです。
また、EPSの分子である当期純利益が増益した一方でEPSが下がるのは、分母の発行済株式数がストックオプション行使によって増加したためです。
以上の通り、本件は当社の収益力を本質的に棄損するものではございません。
加えて、当社の収益力の実態を反映した「1株当たりのれん償却前 当期純利益(Cash EPS)」では、2024年1月期通期実績131.91円、2025年1月期通期予想156.73円と、法人税が18億円増するにも関わらず18.8%成長する予想となっております。
当社では引き続き「株主価値の極大化」は勿論、「1株当たりのれん償却前 当期純利益(Cash EPS)の極大化」を追求してまいります。
まず前提として、旧エービス4店舗の取得対価は、同4店舗からのキャッシュフローで回収可能な水準であり、投資回収の観点、つまりM&Aの観点に於いて、実態的に問題は全くございません。
むしろ、当社ではゲームセンターのロールアップM&Aを繰り返し、数多くのシナジーを出しておりますが、実際に旧エービス4店舗(店舗定義の変更により、現在は3店舗と表記)は、当社グループイン前後の比較に於ける既存店成長率は107%と高水準となっております。
にも関わらず、今回のれんの減損となっているのは、以下の管理会計上の構造的な事由によるものす。
簡潔に申し上げれば、当社100%子会社の㈱GENDA GiGO Entertainmentの本社販管費を按分すると、旧エービス4店舗が管理会計上で赤字となるためです。しかし、旧エービス4店舗へ本社販管費が按分される分と同額分、GiGO既存店での費用負担が減り、GiGO既存店の管理会計上の利益は増加します。従って、管理会計上でどちらの店舗に利益が按分されるかという議論となります。
翻って全社的には、旧エービス4店舗の取得により、全社の利益もキャッシュフローも増加しており、その増加分のキャッシュフローで、当初の取得対価を回収できるため、投資として問題ございません。
詳しくは2024年3月11日開示の「2024年1月期 通期決算実績 及び 2025年1月期 業績予想」11ページをご覧ください。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/9166/ir_material_for_fiscal_ym/152154/00.pdf#page=11
結論、上期においても通期においても、のれん負けしておりません。つまり、上期においても通期においても、M&A対象企業からの営業利益>M&A対象企業からののれん償却費の状態です。
次に、上期にのれん負けしていないものの、前期比で減益となる理由をご説明させて頂きます。
まず、当社グループの季節性上、上期(2月から7月)よりも連休や歓送迎会の多い下期(8月から1月)に売上が偏重いたします。一方、のれん償却費は定額で費用計上されます。
All.net利用料の上昇が開始する中、「売上には季節性があり、上期は低く、下期が高い」一方で「のれん償却費は、上期も下期も(究極的には毎月毎日)常に同額計上」されてしまい、上期だけを切り取ると、のれん償却後の利益指標である営業利益ではコスト増を打ち返していないように見えています。
一方で、同様に上期だけを切り取った場合、All.net利用料のコスト増を加味しても、のれん償却費の影響を控除すると前期比で増益であり、EBITDAでも上期も前期比で大幅な増益計画です。当社では実事業の健全性について、EBITDAを判断指標としております。
またなにより、のれん償却後の営業利益で見ても、通期では計画通り53億円から70億円へ+30%の増益計画です(のれん償却費を控除したEBITDAでは60%増益計画)。
当社では、のれん償却費によって「通期の」営業利益をいたずらに下げる、ということは可能な限り回避するものの、そもそものれん償却費は本質的な意思決定に影響を及ぼさない上、「上期がのれん負けしているか」は尚更に意思決定には影響を及ぼしません。
なお、のれんは、資産の年数が経過し簿価上で償却が進んだ資産(たとえばカラオケやゲームセンター)が、将来的に毎年潤沢なキャッシュフローを出している、そういった両者の差額が多い場合にのれんが発生しやすい環境となります。
GENDAでは、あくまで将来回収できるであろうキャッシュフローの総額を睨みながらM&Aでの投下資本の金額を決めています。つまり、資金を投下して、それ以上に資金を増やして回収する、という、投資の基本を徹底しています。
これは本来的には、本業に対する設備投資でも同じ考え方であり、設備投資をし、事業を通じてそれ以上にキャッシュフローを得る行為と同じです。しかし、現在のエンタメ業界では、M&Aへの資本投下の効率性が際立って高い(投下した金額を、遥かに上回った金額に増やすことに成功している)ため、GENDAは過去6年で非連続な成長を遂げています。
結論、M&A企業として取得する様々な事業は、必ずしも同じ利益率ということはなく、利益率の異なるビジネスを取得しているため、当然にして発生致します。そしてそれは、M&Aの観点で問題無いことを、以下の通りご説明させて頂きます。
GENDAはM&Aの会社として既存ビジネスとは異なる業種の会社を取得することがあるため、利益率が変動します。例えば、2024/1期と2025/1期を比較すると、カラオケ事業を取得しており、カラオケ事業の利益率はゲームセンターのそれよりも低いため、利益率は下がります。
では、上記の前提でGENDAの場合、M&Aの結果として利益率が低くなることはネガティブなのでしょうか。
たしかに、オーガニック成長のみをしている一般的な多くの事業会社において、同じ事業が年度比較で利益率が下がることはネガティブです。しかし、GENDAはM&Aの会社として、ビジネスモデルが異なり利益率が異なる企業をM&Aするため、利益率が低い会社をM&Aした場合、当然に利益率は下がります。
では次に、既存事業よりも利益率が低い会社をM&Aすることはネガティブなのでしょうか。
M&Aに於いて理解が少し難しいポイントはここですが、結論、取得価額によります。
たとえば、GENDAのカラオケ事業を担うシン・コーポレーションは、創業35年来の最高益を見込んでおり、進行期で20億円を超えるEBITDAを出す見込みです。
同社の取得価額は非開示ですが、あくまで直観的にわかりやすくするための極端な喩えとして、たとえば同社を1億円出して買えるとしたら、マージンが低いからという理由でM&Aを見送るでしょうか。1億円出すと、1年後に20億円になる投資です。
むしろこのM&Aを見送る方が、株主価値の最大化を求められる企業として避けなければならないことです。つまり、マージンの高低は手段であって目的ではないことがお分かり頂けると思います。当社では投資委員会を中心に、あくまで資金を投下して、それ以上に資金を増やして回収する、という投資の基本を徹底しています。
そのうえで更に、既にM&Aした企業群、それも最も得意とするゲームセンターはもちろん、カラオケ事業でも早速多方面でのシナジーが発現し、実際に実績として具現化していることを付言させて頂きます。それらの実績についても、M&A後一定期間の比較可能なデータが揃いましたら、然るべきタイミングにて公表させて頂きます。 現在のところ、適切なバリュエーションで取得し、そしてその会社も成長する、という良い循環が継続しています。
決算説明資料P35に前期及び今期の四半期業績を掲載しています。(https://ssl4.eir-parts.net/doc/9166/ir_material_for_fiscal_ym/141436/00.pdf)
基本的に売上高は季節性のとおり、第1四半期、第2四半期、第3四半期、第4四半期の順で後に寄っていくほど高くなるというのが例年の傾向です。
一方で、利益については複数の要因でぶれることがあります。前期の四半期業績が変動したのと同様に、今期も四半期会計期間のみを切り取った業績で比較すると、さまざまな要因により変動していきます。今期第3四半期では、コスト発生要因が見込まれていること、第4四半期は当社の季節性どおりに売上が伸長することを想定していますので、第3四半期よりも第4四半期に利益が偏重する傾向になるものと考えています。これらの変動要因については期初の計画時から織り込んでいるため、総じて通期計画に対してはとても順調に進捗しているものと考えています。
KPIとしてゲームセンター店舗数、M&Aソーシング件数を開示しております。詳しくは『2024年1月期 第3四半期 決算説明資料』の3ページをご覧ください。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/9166/ir_material_for_fiscal_ym/146854/00.pdf#page=3
一方で業績の観点では、M&Aを成長戦略の柱に据える会社として、グループ連結の年間キャッシュフロー創出力を現す「EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却費)」及び、IFRSの当期純利益に近い指標である「のれん償却前 当期純利益」を最も重視しております。
現状、当社では多数のM&Aを実行しておりますが、過去案件の対象会社全てが日本会計基準を採用しており、今後もその傾向が続く可能性が高いことに鑑み、M&Aや経理実務の機動性を担保すべく、IFRSではなく日本会計基準を採用しております。そのため、今後のM&A戦略の進捗に伴い(IFRSでは発生しない)「のれん償却費」の負担が一定程度発生致します。
当社がIFRSに変更すれば、当社の営業利益や当期純利益はのれん償却費分だけ増加致しますが、それによって本質的な当社の企業価値が上がるわけではございません。
企業価値はあくまで将来の(のれん償却費等を足し戻した)フリーキャッシュフローを時間的価値で割引いた合計値であること、また、M&A案件ごとに対象会社のキャッシュフロー創出能力に基づいて当社がファイナンスを繰り返すことから、当社は常にキャッシュフロー指標を最重視しております。
投資家の皆様にとっても、M&Aで成長する当社の適正な価値をご判断頂く際には、キャッシュフロー創出力を見ていただくことが適切であると考えており、当社の状況をより正しく伝えるために大切だと考えています。そのため、決算短信を含めた決算発表及び業績予想においても、通常の段階損益に加えて、「EBITDA」及び「のれん償却前 当期純利益」を開示しております。
当社の売上・利益の大部分は子会社である株式会社GENDA GiGO Entertainmentのゲームセンター運営によるものです。
従って、ゲームセンターが商戦期を迎える長期休みがある四半期に売上が高くなる傾向があります。
当社は1月期決算でございますが、1Q(2~4月)<2Q(5~7月/GW)<3Q(8~10月/夏季休暇)<4Q(11~1月/年末年始)の順に売上が高い傾向がございます。
また、季節性とは異なりますが、当社独自の「キャンペーン」があります。キャンペーンが実施されたタイミングによっては、通常の季節性と異なる業績の変動をすることがあります。
業績の見通しについては決算短信に掲載しています。「決算短信」より最新の決算短信をご覧ください。
「財務ハイライト」をご覧ください。
事業について
NEN は本日時点でクロージング前であるため、具体的な成果の言及は差し控えさせていただきます。
一方で、「2025 年 1 月期第 2 四半期決算説明資料」でも一部言及した、Kiddleton が展開している日本式のゲーム機や景品に置き換えるロケテストについては、当初の想定を上回る結果が出ており、クロージング後のしかるべきタイミングで進捗状況をお伝えさせていただきます。
なお、来期業績予想の償却前営業利益 185 億円には、保守的に NEN の成長率はゼロとして入れております。
当社グループが手掛けるアミューズメント施設には、店員が常駐する一般的な形式のゲームセンターと、店員が常駐しないゲームコーナー(以下「ミニロケ」)の二つに大別されます。
ゲームセンターへ来客されるお客様は、プライズゲームであれば好きなアニメやIPのプライズ(景品)を、ビデオゲームや音楽ゲームであればご自身の好きな筐体を目的に来店されるお客様が多数いらっしゃいます。従って当社グループのゲームセンターでは、幅広い年齢層のお客様にご来店いただいてはおりますが、20~30代がボリュームゾーンであるものと考えております。 一方でミニロケは、国内であればカラオケや量販店、米国では食品スーパーや飲食店等の空きスペースに出店している関係で、そのスペースの人流に依拠した顧客層になっております。
GiGO総本店は、9月20日に東京都豊島区池袋に開店しました。開店当日は開店を待つお客様が500名程度並ぶほどご期待いただき、開店から1か月が経過する現在は、売上高は計画を15%上回る非常に好調な滑り出しとなっております。
GiGO総本店は、クレーンゲーム269台、体感音楽ゲーム118台、ビデオ大型カードゲーム72台、プリントシール機18台等、GiGOの旗艦店にふさわしいゲーム台数を誇ります。また、フード&ビバレッジ(以下、F&B)として「GiGOのたい焼き総本店」や、日本発祥のグルメポップコーンブランド「ヒルバレー」を常設し、さらにそれらをその場で楽しめるカフェスペースも設けております。
現在のところ、平日は1万名程度、休日は3万名程度のお客様に来店いただいております(いずれも1日当たりの延べ人数であり、人数カウントセンサーによる計測)。開店後30日間の売上高は約200百万円(速報ベース)、売上構成ではクレーンゲームが8割程度を占め、特に人気IPのプライズを求めて多くのお客様に足を運んでいただいております。例えば、「Crazy Raccoon×GiGOキャンペーン」の開始日には、プライズや限定品を目当てに約150名ものお客様が列をなしました。
また、F&Bにおいても、プライズゲームと同様に人気IPとのコラボ商品がお客様に支持されております。「ヒルバレー」では現在、パッケージに「ドズル社」のイラストがプリントされた「ドズル社 コラボポップコーン」の販売をしております。こちらも、販売開始日には100名程度のお客様が当該商品を目当てに開店前から並ばれました。「GiGOのたい焼き総本店」では、現在『GiGOのたい焼き「ブルーロック焼き 第 2 弾」』を実施し、「ブルーロック」とコラボレーションしたたい焼きを販売しております。こちらも「ブルーロック」ファンのお客様から支持を受けております。
今後も「誰もが思い思いの時間を主人公気分で味わえるエンターテイメント施設」として、日本から世界にゲームセンターの楽しさを発信してまいります。
プライズゲームの景品は、メーカー側が作成したものを各ゲームセンターが仕入れるため、基本的にはどのゲームセンターでも同じ景品が取り扱われます。一方で、当社グループがIPの版元等と交渉し、当社グループ限定で取り扱う独自の景品を仕入れることもあります。当社ではその独自の景品を提供することを「キャンペーン」と称しています。他社には無い景品を取り扱うことで、お客様のご来店の意欲が高まることから、通常の季節性とは異なる業績変動要因となります。
「GENDAグループ概観」をご覧ください。
株式情報について
Serial Acquirorとして連続的なM&Aで成長し、前期比で売上1.8倍、EBITDA 1.6倍と業績が拡大する当社は、昨今特に海外機関投資家様からのご関心を頂戴しております。一方で、当社のIPO以降の株主層の大部分が安定株主層(詳細は後述の通り)となっている中、特に大型の運用資金を有する機関投資家様が新たに市場で当社株式の投資を検討される際、株式の流動性向上についてのご意見が寄せられるようになっております。
また、当社は来年度に向けても更なるM&Aによる成長を企図しており、引き続き非連続な成長の実現を標榜しておりますが、それに伴って株式価値も非連続に向上させることに日々尽力しております。一方、仮に将来的に株主優待を導入した場合、GENDAグループのB to Cサービスの価格水準に鑑みると、有意義な株主優待制度を作るためには当社株式の最低投資金額はある程度の水準を超えないように維持する必要があります。
以上の通り、流動性の向上、及び最低投資金額の維持という2つの理由から、今般の株式分割を実施する意思決定を致しました。次に、冒頭に述べております当社の安定株主層を説明させて頂きます。
まず、当社の有価証券報告書にて開示の通り、「吉村英毅・ミダスB投資事業有限責任組合」及び「ミダスキャピタルGファンド有限責任事業組合」は2024年1月末時点で当社株式の約44%を保有しております。また当社役職員も合計で約24%を保有しております。
加えてIPO時には、2023年7月19日開示の「訂正有価証券届出書(新規公開時)」にて記載の通り、アセットマネジメントOne株式会社様より564,900株(1.52%)の親引けによる株式取得をしていただきましたが、その際の保有方針は「長期保有の見込みであります」との開示となっております。
https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100RFK6.pdf
また、2023年7月10日開示の「訂正有価証券届出書(新規公開時)」にて記載の通り、Capitalグループ様より「取得総額2,711百万円」の株式(4.19%)に対する関心の表明(Indication of Interest)を頂きましたが、同じく「中長期的に保有するという保有方針」として開示しております(なお、本件はあくまで関心の表明でありますため、親引けと異なり、IPOに於ける実際の株式配分は非開示となっております)。
https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100RD51.pdf
当社株式が流動性のある株式市場に上場しているという性質上、株主様の売買について当社が言及すべき立場にはございませんが、当社の業績が昨年対比で拡大する中、相対的には流動性の低い安定株主層が大部分を占めているのは事実でありますので、より多くの株主様に当社の理解を深めて頂くことで流動性の向上につながるよう、IR活動に努めて参ります。
その他の大株主の状況も含めて、詳しくは有価証券報告書をご覧ください。
https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100TC50.pdf
配当については、株主資本コストを上回る魅力的な事業投資の機会を数多く認識しており、当社が現在創出しているキャッシュフローを株主の皆様に今すぐ還元するよりも、事業に再投資することで将来的な株式価値をより高める方が株主価値向上に寄与すると理解しておりますので、現時点では検討していません。
自社株買いの考え方は配当と概ね同様ですが、当社の株式価値が著しく低下している場合などには、M&Aによる他社株式の取得よりも自社株式の取得に資金を振り向けた方が投資リターンが高く、結果的に株式価値向上の効果が高いと判断される場合があります。株主還元を適時にピンポイントで狙えるという機動性から、自社株買いは配当対比で株式価値の向上効果が高いと考えております。
一方で株主優待については、現時点で決まったことはございませんが、当社のエンタメ・プラットフォーム事業はB to Cビジネスですので、株主優待は当社グループに於いて様々な観点で有効な手段だと認識しております。
たとえば、同じ株主還元の中でも実際にキャッシュアウトを伴う配当や自社株買いと違い、株主優待は成長投資を直接的には阻害しません。
また株主優待は、新たな顧客層の開拓と投資家層の拡大に繋がりますが、株主層の拡大は日々の株価のボラティリティの低下につながるため、結果的に資本コストの低下を通じて株式価値の向上効果も有していると考えております。 株主優待について、詳しくは下記資料をご覧ください。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/9166/tdnet/2459232/00.pdf
以上の前提で、今後も当社は常に株主のみなさまの株式価値向上を実現するために、その時々で最適な資本配分を実施していくことを基本方針としています。
市場変更につきましては、現時点において決まった事実はございません。
毎年4月を予定しております。
100株です。
9166です。
東京証券取引所 グロース市場です。
2023年7月28日に上場しました。
Frequently Asked Questions and Answers
よくある質問と回答
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よくある質問と回答(2024年11月)PDFPDF
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よくある質問と回答(2024年10月)PDFPDF
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よくある質問と回答(2024年9月)PDFPDF
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よくある質問と回答(2024年8月)PDFPDF
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よくある質問と回答(2024年6月)PDFPDF
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よくある質問と回答(2024年5月)PDFPDF
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よくある質問と回答(2024年4月)PDFPDF
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